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白恋鬼譚  作者: 丹下 博観(風光明媚)
異世界にて鬼に出逢うこと
7/71

間幕

 本日、三話目です。

 二つ前のページにゴー!!



 国王から皇帝に変更しました。




 王宮の最奥。


 後宮の隣に位置するある隠し部屋の中に三人の男達が椅子に腰かけ話し合っていた。



「……十年に一度の『奉華ほうかの儀』が、今年もやってきてしまいましたなぁ」



 長い髭に指を絡めて弄ぶ初老の男が、哀しげに呟く。



「致し方ないことだ。嘆いたところで何かが変わるわけでなし。我らに出来ることは『奉華の儀』が今年で終わることを願うことだけだ」

 


 恰幅の良い年配の男が、初老の男に苦々しげに言う。彼とて、『奉華の儀』に思うところはあれど、どうしようも無いことも同時に分かっているからだ。



「終わることを願うことしか出来ぬとは、いやはや我々は何と無力なのでしょうなぁ。若き頃は国の為、民の為、そして己が欲の為に駆け上がってきたこの地位も。真実を知った日に見事、後悔に変わった…………」


「何時までもグダグダ言うな! 我らに選択の余地はないのだ。十年に一度、惑いの森の主たる我が国の守護者に『奉華』を捧げるのは開国から定められた掟だ!」 



 年配の男が初老の男に向かって怒鳴りつける。


 すると、今まで黙っていた三人の中で一番年若い男が口を開いた。 



「………此度の『奉華』には誰が選ばれた?」



 年若い男の言葉に二人はすぐさま鎮まり、礼をとった。



「中納言の大君です」



 年配の男が答える。


 年若い男は、そうか。と呟き、軽く目を瞑りしばし黙考した後に二人に告げた。



「では太政大臣、左大臣。陰陽寮おんみょうりょう神祇省しんぎしょうに『奉華の儀』の準備を進めるように通達を──────大祭を開催する」

 


 初老の男と年配の男─────太政大臣と左大臣の二人は椅子から立ち上がり、年若い男に最敬礼の礼をとる。



「「御意、蓮炎国皇帝陛下───」」














 十年に一度の、大祭が始まろうとしていた。






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