③名前
「貴方の部屋はここじゃないかしら」
「ありがとうパツキンロール」
適当なあだ名をつけておく。
「私にはパトリシア=ローナ=ツェッペリンという名がありますわ!!」
パから始まるしパツキンロールでもよくないか?
とりあえず部屋が見つかってようやく寛げると思っていたら誰かが部屋をたずねてきた。
「あの…」
それは村娘Aみたいな女騎士だった。
「女王陛下が、指導者となる貴方にぜひ優秀な人材をハンティングしていただきたいそうなのです」
優秀な人材を募るには酒場、と言う村娘っぽい騎士に、ついていくことになった。
やれやれ、モテる男はつらいぜ…?
よく考えると優秀な人材を集めるだけなら城でもできんじゃねーの?
なんでわざわざ未成年の俺が酒場にいってんだよ。
「あのさ、どうして酒場?」
「女王陛下はヘコヘコした自身のない者がお嫌いなのです」
つまり、酒場にいる連中は城にくる奴等とは違う気質だからってことか。
「でもそれだけなわけないよな?」
「ええ、城から、遠くから紙面で見ただけでは素性などわかりませんよね?」
「ああ…まず無理だなできるとしたらエスパーじゃねえの?」
「ですから、女王様は自身がありへりくだらない豪胆な女性を探しています」
豪胆な女の子を…?
レディースにカモられた眼鏡くんの図が浮かぶ…。
「現女王が即位される前…まだ力ある男性がいたかつての王たちのやり方は、まず権力、家柄のお上品なだけでした」
「戦ってここ最近起きたんだろ?王サマを男がやっていたときがあるならもうとっくに戦いは起きてたんじゃないか?」
「はい…。王族は昔から女性的な考えの男性、男性的な考えの女性が多くです…ですから栄えてきたというわけなのです」
村娘騎士いわく女のような気質を持ち戦を割けて来た歴代の王のお陰で栄えたこの国は、現女王の父の野心で起きた戦によるものだという。
「けど女王様はおしとやかっていうかすっごく女っぽい見た目だったけどな」
「見た目に騙されてはいけません!女王様はお怒りになれば陰湿な嫌がらせは無いにしろ取り合えずグーで殴る方です」
「え?」
城に帰る前にキズ薬買おう。
「酒場に着きましたよ」
なるようになれ、と酒場に入る
「よう兄ちゃんアンタ、名前なんていうのさ」
いかにも酒場の女ボスという感じのアネゴ系の褐色美女がカウンターで出迎えていた。
「名前なんて…ここにきたときに捨てた」
本名ありがちで超ダセーから言いたくない。
「じゃあ今の名前はなんかないのかい?」
「ヴィクトリー・キングってカッコよくね?」
村娘騎士にきいてみた。
「微妙ですね…グレート・ジャスティスのほうが…」
「面倒だねカルロスでいいだろう」
「間をとってグレートキングにしよう」
「ダサいねぇ」
「いういえヴィクトリー・ジャスティスのほうが」
結局決まらずうだうだ時間は過ぎた。