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②部屋
育成なんて小学生の頃に流行ったゲームで以来、やったことがない。
「やれやれ…困った奴等だ」
なんて、中二染みた独り言を呟いてみる。
「そこの貴方!女王陛下に気に入られたからっていい気にならないで!!」
いかにも敵意を剥き出しに声をかけてきたのは、した緩く巻かれた金髪、にふわりとしたドレスの金持ちそうな女だった。
しかし、かわいい。クラスにいないレベルでかわいい。
ここは波風立てずに軽く返すか。
間違っても〔初対面の相手に随分なご挨拶だな〕なんて言ってはいけないな。
「いい気になってたわけじゃない。たまたま若い男が俺一人だっただけだぜ」
フ、決まったぜ。
「あら、わきまえてるのね拍子抜けしたわ」
金髪金持ち娘の先程までの険しい表情が解けた。
「じゃあ俺はこれで」
名前聞くの面倒だし余計に話してボロが出てもアレがあれしてアレだからな。
部屋に行って休むか。
「待ってどこいくつもり?」
「行き先なんて決まってるだろ…」
あ、俺の部屋どこだ?