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☆ 虹の約束☆

作者: 神影 冴姫

これは、私が7歳の時に書いた小説を、編集したものです。


ある小さな町にリナという7才の女の子が家族と住んでいました。リナは、よくこの町の事をしりませんでした。なぜなら、お父さんの仕事の都合で3ヶ月前に引っ越してきたからです。


ある日リナはお母さんにおつかいを頼まれて、スーパーに行きました。

「小麦粉、お砂糖、生クリームにいちご。よし、大丈夫だ!」

リナは、お母さんに教わった近道を急いで走っていました。


その日は、幼なじみのユウ君の誕生日で、

バースデーパーティーがあるから、早く帰るように言われていたからです。

すると、急にザァーと音が鳴り、リナの額に冷たいものが触れました。雨です!

「もう!なんで雨なんか降ってくるの〜?」

リナは、あまり雨が好きではありませんでした。急いで、ジャンパーのフードをかぶったリナは、ふと足を止めました。

「あれ?なんだろう?」リナが、見た先にはきれいな花壇がありました。

「うわぁ。きれい」

「あら、お嬢さん。」一人の傘を持った、70代くらいの女性がリナのそばに歩いて来ました。

「あ、すみません」その美しさに見とれてしまったリナは、いつのまにかその花壇をつたって家のお庭まできてしまっていたのです。

「よかったら、家の中に入るかい?」

「いいんですか?」

「もちろんだよ。」リナは、家に帰ることも、ユウ君の誕生日パーティーのことも忘れるくらい、おしゃべりに夢中になりました。

「私は、冴子だよ。絵本を書いてるの。」

「すごいね、冴子おばあちゃん!今度、読ませてね。」

「えぇ。」

「あっ!?」突然、リナは外を指さしました。そこには、とっても美しくて、大きな虹がかかっていました。

(あっ、そうだ!!)

「冴子おばあちゃん」リナは、思い切った顔で言ってみました。

「今度、絵本書くんでしょう?」

「えぇ、そうだけど?なにか書いてあげようかねぇ?まだ、テーマは決まっていないし。」

「本当?」リナは大喜びしました。

「なにがいいかい?」

「虹」

「え?」冴子おばあちゃんはもう一度聞き直しました。

「虹かい?」

「うん!だめ?」

「いいよ。じゃあできたら、誰にもあげないで一番最初にリナちゃんにあげるね。」

「わーい」リナは喜びながら、家に帰っていきました。


   

     2ヶ月後


リナは、ずっと本ができるのを楽しみに待っていました。けれども、またお父さんの仕事で遠い国に行く事になってしまったのです。

リナは、全力で反対しました。

「やだよー。絵本ができるまで、ここにいるんだから!」

「絵本?絵本って、この前おつかいに行ったときの?

ユウ君のバースデーパーティーを忘れるくらいに話し込んだおばあちゃんが、書いてるっていう?」お母さんが、聞きました。

「うん!」リナの声は、少し弾んでいました。もしかしたら、行かなくてすむかも!と思ったのです。

「そう、仲良しの知り合いができたのね。

もちろんお母さんも、お父さんもそのご本ができるまで待っていたいけど……」

お母さんは、うつむきながら言いました。

そして、困り顔でお父さんの顔を見つめました。

「うーん。考えてみよう」お父さんは、リナを傷つけたくなかったので、そう言って笑いました。

でも、結局リナの反対を押し切って行く事になってしまったのです。

「ごめんね、リナどうしても行かなくてはならないのよ。」

「ごめんな、リナ。また、お父さんのせいで‥…でも、きっと向こうもいい場所だぞ?」

お父さんとお母さんは、とても辛そうな顔をして、リナに謝りました。

すると、さすがのリナも諦め、言いました。

「お父さん、お母さん、いいよ。本ができたら、送ってもらえばいいもんね!」


それで、リナは冴子おばあちゃんの家にお別れの挨拶をしにいきました。が、おばあちゃんは留守でした。

「冴子おばあちゃん?どこにいるの?冴子おばあちゃーん!」


リナは泣きじゃくりながら、冴子おばあちゃんを呼びました。

とうとう出発時間が迫って来た、リナは急いで手紙を書き、ポストに入れました。


お父さんの車の中、リナは後ろを振り返り、何度も何度も、「冴子おばあちゃん…」と呼びました。

でもその声は、冴子おばあちゃんに届くことなく、車とともに霧の中に消えていきました。


             23年後


もう、23年後にはリナはお母さんでした。

娘の名前は、エリ 。ちょうど今年で5才です。

ある日、エリはお母さん、リナに言いました。

「ねえ、お母さん。エリね、かわいい絵本見つけたの。」

「本当?」

「うん。とっても楽しそうな絵が書いてあるんだよ!!」

その夜、リナはその絵本をエリに買ってあげて、読んでもあげました。

その絵本は、ある女の子とおばあさんのお話でした。女の子は、虹の本を作って!とおばあさんに頼みました。けれども、女の子はおばあさんが本を仕上げる前にいなくなってしまいました。おばあさんは、悲しみに耐え、女の子が読んでくれるようにと、本を売り出した、というお話でした。

そこでリナは、はっとして作者と最初のページを見ました。作者は、羽池 冴子と書いてありました。

そして、最初のページにはメッセージがありました。


『 私の友人 リナへ

あなたが、急にいなくなったときは悲しく、びっくりしました。

でも、あなたが入れてくれた手紙は永遠に私の宝物です。

だから、この本はあなたに送ります。

私に、すてきな宝物をありがとう。

そして、この本があなたに届き、あなたの宝物になりますように。

いつまでも、あなたの幸せを願っています。

本の仕上げ、遅くなってゴメンなさい!

    友人 冴子』

その、メッセージを見てリナの目から涙があふれてきました。

「守ってくれたんだ。冴子おばあちゃん、ちゃんと私との約束守ってくれたんだ。ありがとう」

「お母さん?」リナの目から涙が流れたのに気づいたエリが心配そうに聞きました。

「エリ、とっても嬉しいときって涙が止まらないのね。ちょっと、困っちゃうわ」

リナは、泣いているのをごまかすように笑いました。

「え?」

「ううん‥…もうお休み。」

「はーい」不思議そうな目で見てくるエリを寝かして、リナはもう一度、涙をぬぐいながら言いました。

「本当にありがとう、冴子おばあちゃん」

星がきらめく空をみて、冴子おばあちゃんを、あの日みた大きな美しい虹を思い出しながら。


書いてる時、(当時7歳)なんだか自分のストーリーに我ながら感動しました。

wwwwww


読者の皆様、よんでくださってありがとうございます。

今後もいろいろなストーリー作りに励みたいと思います!!

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