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シロガネ  作者: ネ月
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ストーリー3

~ストーリー3~

柴田 新の日常


柴田 新……新入生にも関わらず二ヶ月で裏生徒会長の座についた経歴を持つ学園一のキレ者。そんな彼の唯一の理解者であるのが……



昼休み

―屋上―


「んで、お前は最近ハマってるものとかあるのか?」

「ないですね。」


新は手持ちのノートパソコンのキーを叩きながら返答する。


「今は各運動部の大会でどこの学校が勝ち上がるかギャンブル仲間同士で結果待ちしているんですが100%僕が勝利する勝負なんてつまらないの一言です。」

「なら、俺と一つ賭けをしないか?」

「ふっ、今度は僕にどんな勝負を挑む気です?」

「とりあえず、いい暇つぶしにはなるはずだ。」




「ルールは簡単だ。先に四季神に恥を掻かせた方が勝ちだ。」



―中庭―


昼休み、四季神は中庭で昼寝をしていた。


四季神

「スー……スー……。」


「この時間、四季神は昼食後の昼寝を中庭でするのはほぼ全ての生徒が知っている。用心深い奴のことだ。寝ているとはいえ周囲への危機察知能力は小動物並なのは確かだ。」

総司

「で、なんで俺がお前達の勝負に付き合わなきゃならないんだ?」


中庭入り口のドアに隠れながら勇と総司が四季神を見張っていた。


「あの四季神と新を一網打尽に出来るんだぞ。見物だと思わないのか?」

総司

「いや、あのサディストのことたがらお前の思惑に気付いて逆にお前が恥を掻くように仕向けるんじゃねーか?」

「その心配はない。俺があいつに手出し出来ないように。あいつも俺に下手な手出しは出来ないからな。」

総司

「お前達……一体どういう関係なんだよ?」

「言わなかったか?クラスの親睦会でアメリカに行ったとき二人でラスベガスをぶち壊そうとした関係だ。」

総司

「ああ、お前達がギャンブル王競い合ってたあれか……。やな思い出だな。」

「全くだ。まさか俺があいつに負けるとはな。」

総司

「ちげーよ。お前達のせいでラスベガスが本当に潰れかけたのがトラウマになってんだよ。」

「まあとにかく、昼休みの一時間が勝負だ。勝てばあいつの所持しているデータファイルを貰うことになってるんだ。絶対に勝つ。」

総司

(コイツが負けず嫌いなのは知ってるが今回は偉くやる気だな……。一体どんなデータファイルなんだ?)

「とりあえず奴に恥を掻かせる口実ができたんだ。有効に使わせてもらう。もし俺が疑われても新の所為にすればいいんだからな。」

総司

「ドS同士の戦いもある意味見物だな。」

「にしても動かないなあいつ……。」

総司

「相手が動くのを待ってても仕方ないだろ。とっとと寝顔写真でもなんでもやってこいよ。」

「言わなかったか、小動物並の危機察知能力だと。俺も昼寝してるときは一見あんな風に無防備を装ってるが殺気を感じたら即座に相手を潰しにかかるぞ。下手にそんな事は出来ない。」

総司

「だな、お前達って無駄なところで似ているからな。」

「だが制限時間がある以上。ここでもたついている場合じゃないな。」


その時、来訪者が一人……


「おや、こんなところでお二人さん何をやっているんです?」

「新?」

総司

「お前こそ何やってんだよ?さしずめ、敵の偵察といったところか?」

「まさか……。そんな君こそ彼に付き合うなんて……暇人が。」

総司

「うるせーッ!」

「お前のことだ。どーせいつも通り速攻かけてきたんだろ?」

「ええ。」


ジャキ!


新が武器(デュエル)を発動させ、装飾銃型の武器『シルバーブレッド』を構える。その銃口は完全に四季神を捉えていた。



総司

「あの……新さん?なんのつもりで?」

「ここはやはり抹殺した方が早いかと。」

「殺るのは勝手だが後が大変だぞ。」

総司

「いや!止めろよ!!」

「大丈夫だって。こんくらいで死ぬなら俺がとっくに殺ってるから。」

総司

「いや、だが……。」


ダンッ!!


総司

「撃っったぁーーッッ!!!」


新が発った銀の弾丸がお休みモードの四季神に直進する。

その時……眠れる獅子が目を覚ました。


ザンッ!!!


四季神に発なった銀の弾丸が突如現れた無数の刀に防がれる。


「!」

「逃げるぞ、総司。」

総司

「え?」


四季神

「俺の眠りを妨げた馬鹿は誰だ。」


そのとき、無数の刀の中から睡眠を妨害されたことに怒る四季神が現れた。


(ちっ、シルバーブレッドを喰らっても無傷とは……。流石はエリートティーチャーといったところですか。)


四季神

「新!犯人はテメェか!!」


(見つかりましたか……。なら、プランB決行といきますか。)


新は武器(デュエル)を『シルバーブレッド』から戦線離脱用の拳銃『ホーリーグレネード』に変換させ、自分の足元に撃つ。


カッ!!





―3階廊下―


「ここまで逃げれば二次被害は来ないだろう。」

総司

「おいっ、いいのかよ!あいつオモックソ殺っちまったじゃねーか!!」

「あいつのことだ。おそらく計算の内だろうな。今頃ホーリーグレネードを使って四季神から逃亡しているはずだ。」

総司

「あいつを怒らして隙を作る作戦とでも言いたいのかよ?」

「だろうな。だが、四季神を起こしてくれたのは好都合。後は遥と合流すればB計画に以降できる。」

総司

「B計画?」

「とにかく遥を早く探さないとな。今あいつどこいんだろ?」


「呼んだ?」


勇が探しに行くまでもなく遥が颯爽と登場する。


「おお、ちょうどよかった。実は四季神を辱めたいからお前も協力してくれ。」

「いいよ。」

総司

「やけにアッサリ返答したな。」

「にーにーの憐れもない姿が見れるチャンスだもん。協力しない手はないよ。」

総司

「相変わらずの歪んだブラコンコンビだな。お前達……。」





―2階廊下―


四季神

「ちっ、ここにもいないのか。どこに行ったあのサディスト?」


逃亡した新を追って四季神が学園内を右往左往していた。


四季神

「だが妙だな…。あいつは二番目にムカつく奴だが不利益なことはしないはず……。昼休みの終わりまで逃げきれば自分の勝ちってことか?ふざけた勝負を仕掛けやがって。」


「にーにー☆」


今度は四季神の前に颯爽と遥が現れる。


四季神

「遥?どうしたこんなところで?」

「そういうにーにーこそ何やってんの?」

四季神

「俺の貴重な睡眠時間を妨害した奴に制裁を加えようとしているところだ。」

「ふーん。奴ってだれ?勇?」

四季神

「いや、今回は新だ。」

「あー、新君なら屋上に行ったけど。」

四季神

「ほう、でかした遥。早速ぶっ潰してくる。」

「頑張ってね~。」


狂鬼と化した兄をすんなりと見送る遥であった。




―屋上―


「さて、後はここであの神様気取りなあの先生を待ち伏せしていれば勝利は確実なものになるのですが。」


「おっと奇遇だな。やはり考えることは同じということか。」


「?」


誰もいない屋上に新と勇&総司が合流する。


「君達もここに来たんですか。まあ、被害を出さない絶好の場所ですから当然のことですね……。」

総司

「んで、お前達はここで何をする気なんだ?屋上からあいつを突き落とす作戦でも考えてるのか?」

「馬鹿ですか君は?そんな作戦を考えるくらいならアレの社会的抹殺方法を考えてますよ。」

「全くだ。アレを抹殺するのに屋上から突き落とすなんて生ぬるいにも程がある。せめてアレの存在を消去するくらいの事は言わないと。」

総司

「俺はお前達に人権について問いたいよ。」



ダンッ!!!



総司

「!!」

「来たか。」

「そのようですね。」


屋上入り口の扉をぶち壊し、四季神がその姿を現した。その姿を視認するなり勇と新が身構える。


四季神

「ほーう……新だけじゃなくいつものバカコンビも一緒とは……。グルで俺を潰す魂胆だったんだろうが………返り討ちにしてやるよ!」


ザンッ!


四季神の武器(デュエル)『千本刀・村雨』が発動し、周囲に無数の刀が出現する。


「ふっ、ここまでは計算通りですね。」

「結局、力押しになるんだな。」


四季神の武器(デュエル)発動に対向し、勇は自分の武器『妖刀・村正』を抜き、新も武器『シルバーブレッド』を構える。


四季神

「覚悟しろテメェーらッ!!」

勇&新

「いくぞ!!」


総司

「え?」


これから三人が激突するのかと思いきや……

いきなり勇と新はその場にいた総司を二人で抱え上げ、四季神の真上に放り出した。


ポーイ


突然の出来事に訳もわからず宙を舞った総司の体を四季神が条件反射で何故かお姫様抱っこの形で抱き留める。


四季神

「は?」

総司

「なっ!?」


カシャ


そんな二人の憐れもない姿の隙を逃さず、勇と新が自分達の持っていたデジカメのシャッターを押す。



「…………………………。」



「っ、しまった!ブレました!!」

「残念だったな。タッチの差で今回は俺の勝ちだ。」

「ちっ、仕方ないですね。」

「約束のもんを渡して貰うぜ。」

「言われなくとも……。」


新が制服の内ポケットにしまったていたデータメモリーを勇に渡す。


総司

「おい、お前達……これはどういう事だ?」


四季神の腕のなかに収まったままの総司が無表情の顔で問い掛ける。


「B計画だ。」

「プランBです。」



総司

「なんだよコレ!!?あれか!ホントはテメェーらのどちらかがコオなる予定だったのに俺が運良く側にいたからそれで間に合わせたってことかゴラァ!!!」



「……………。」

「……………。」


勇&新

「何のことですか~?(棒読み)」


総司

「ぶっっ殺すぞ!!!」


勇と新の無情なる嫌がらせに総司がとうとうブチ切れる。だが……


四季神

「んで?貴様はいつまでそうしてる気だ?」

総司

「……………。」


四季神のドス黒いボイスにより総司の思考が怒りの感情から恐怖感に変わる。



四季神

「失せろ。(殺)」



ザンッ!!!!



昼休み終了のチャイムが鳴るなか、刀の雨が学園の屋上に降り注いだ。






後日

―屋上―


総司

「たくっ、お前達のせいでまた酷い目にあった。」

「まぁ、こうやって俺達も十分重傷なわけだからお互い貸し借りはナシでいいだろ。」

総司

「そういう問題じゃねーよ。」


あれから結局三人は四季神の千本刀により顔や体に切り傷をつけられながらも辛くも生き残りなんとか難を逃れた。


「ふっ、僕が賭け事で負ける時があるのは君が絡んでいるときだけですよ。相変わらずムカつく程の強運の持ち主ですね。」

総司

「そのおかげで俺にはいつも不幸が付き纏うがな。」

「だから悪かったよ。後で礼はしっかりするから。」

総司

「……たくっ、しょうがない奴だな。」


「あーっ!勇ってばまた男同士でデレデレしてる!!」


「おっ、遥。」


三人の後ろから遥が登場する。


「もーっ!コイツとにーにーがくっついたからもう安心だと思ったのに。勇の浮気者!!」

「だから違うって。つーか、お前一応あの現場を目撃してたんだな。」

「当たり前じゃん。あ~……条件反射なのについお姫様抱っこしちゃうにーにー……まさしく萌えイベントの鑑だよね~。その後の照れながらの怒りっぷりたらもうサイコー!」

「写真が欲しいなら一枚500円で売るぞ。」

「三枚ください!!」

「まいどー。」

総司

「儲かる商売してんなーお前……。あ、そういえばお前、あのデータファイルって一体なんだったんだ?」

「ん?ああ……。」


勇はデジカメにデータメモリーを差し入れデータファイルの画像を表示する。


ピッ


データファイルには勇の弟、白銀 空の学園生活隠し撮り写真がづらりと並んでいた。


総司

「……………お前…コレ……。」

「俺にとっては宝の山だな。(爽やかに)」

「うんうん、わかるよその気持ち。」

「本来は揺するネタに使うつもりでしたが……無駄になってしまいました。」

総司

「俺はそんな物の為にあんな苦労を……。」

「ま、揺するネタが失くなりましたけど。まだ僕にはコレがありますから。」

総司

「あん?」

「この衝撃写真がね。」


新のパソコンには例の四季神と総司の写真が映っていた。


総司

「なっ!!」

「あの先生が唯一見せた落ち度です。有効に使わせて貰いますよ。」

総司

「勇!コイツにだけには写真渡すなって言ったよな!!」

「渡してないぞ。おそらくブレたのをコイツが自力で修正したのだろ。」

「ご名答。」


総司

「ふざけんなぁーーッ!!!」


総司の武器(デュエル)『デスサイズ』が発動し、長身の総司の丈を越える巨大な鎌が新のノートパソコンを両断した。


ジャキン!!


「あー!」

総司

「へっ、これに懲りて二度と変なマネすんじゃねーぞ。」

「まさか本当にパソコンを破壊しにくるとは……。」

「な、俺の言った通りだろ。」

総司

「え?」

「実は彼とまた賭けをしてましてね。君がパソコンを壊すかどおか賭けてたんですけど…。また僕の負けみたいです。」

総司

「なに!!?」

「それにパソコンなら予備にもう一台ありますし。」


新が制服から予備のノートパソコンを取り出す。


総司

「ええっ!!」

「しかも全データは前もって引き継ぎ済み。」

総司

「えええええぇぇーーーー!!!」

「抜け目ないとこは相変わらずだな。」


(しかし、あのパソコンのデータってそんな簡単に引き継ぎできたか?まったく、知らないとこで何やってんだか……)




常に他人を自分の手の平の上で弄ぶのが趣味である悪魔。それが柴田 新という存在だ。

だが、どこか恨めないところがある影の努力家でもある。



続く



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