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第八話 理由(1)

放課後になり、途中まで一緒にリホと帰ることにした。

校門を出ると桜もなくなり夏の準備に入る木々を見て、少し寂しくなった。

そのまま歩いて少し経ったとき、不意に手を入れたポケットの中にハンカチが入っていた。

今朝、前口がカナに返して欲しいと言って渡してきたものだ。

そうリホに言いながらハンカチを出そうとした瞬間、リホは俺を思いっきり睨みつけた。

「私の前で二度とその名前を言わないで!あぁ〜虫唾むしずが走る〜!」

・・・リホは心の底から嫌がっているみたいだ。

何があったのか聞きたいところだが今はやめておこう。

しばらくリホは機嫌が悪かった。

やっと落ち着いてきたところで、俺はもう一度ヒコの家に行こうと誘った。

だけどリホはくどいと言ってそそくさと帰ってしまった。

仕方なく、俺とカナの二人(?)でヒコの家に向かっていた。

「ねぇシュウ?なんでヒコは学校の来ないんだと思う?」

俺もずっと考えていたが、結局何もわからなかった。

そのあとカナはヒコはきっと鳥になる練習をしているんだ。

とか、木とお話しに行ってるんだとか。

もう成仏してしまえ。そう思ってしまいそうだった。

そんな他愛もない話をしていたら、すぐにヒコの家に着いた。

何度も見ているが、今日は家がいつもと少し違って見えた。

柵を開けて玄関に向かう。

そしてチャイムを鳴らす。………誰も出ない。

もう一度鳴らしてみるが………やっぱり出ない。

どうやら留守らしい。仕方ないので今日は一旦帰ることにした。

「なんか居ないみたいだからカナ、今日は帰ろう。明日もう一度来よう。」

そう言って振り返ると、そこにはヒコのおばさんいた。

買い物袋を提げている。どうやら近くのスーパーに行ってたらしい。

「あら、秋平くんじゃない!どう…したの?」

聞かれた。俺がカナに話し掛けているところを。

なんとか誤魔化そうとするが何も出てこなかった。

しばらくの沈黙。するとおばさんが

今日も豊彦は遅いみたいだけど、とりあえず上がっていく?

と言ってくれた。俺は、じゃぁお言葉に甘えて。

とヒコの家にお邪魔したのだった。

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