第四話 部屋
世界は広い。確かに広い。・・・しかしその広い世界の中でこんなことがあるのあろうか。
今俺が置かれている状況は、自分の家の自分の部屋の自分のベットで横になり、目を瞑っている。
正確な時間はわからないが俺は気を失っていた。
そして気がついた。しかし目は開けなかった。いや、開ける勇気が無かった。
俺が気絶した理由は・・・カナ。
俗に言う幽霊ってやつだ。
確かに俺はカナが死んだことを聞いた。
葬式にもでた・・・やはり幽霊だ。今さっきカナが見えた。そして喋っていた。間違いない。ただ時間だけが過ぎていくと思った俺は決心し、そっと目を開けた。しかしそこにカナの姿はない。
後ろを見るがやはりカナの姿はなかった。
すっかり安心した俺は、一階に降りて夕食を済ませ風呂に入った。
きっと何かの見間違いと聞き間違いだろうと考えることにした。
人間とは不思議なものだ。理解できないことは理解できることに勝手に解釈してしまうのである。
俺は再び二階の自分の部屋の前でパジャマ姿で立った。そのときはっきりと見えたカナの姿が脳内に甦った。
「いるかな・・・いないよな・・・。」
意を決して部屋のドアを開けると・・・
「よっ!」
とセーラー服のカナが部屋の真ん中で手を振ってたので反射てきに
「よぉ」
と返事をしてしまったがとりあえずドアを閉めた。
そして深呼吸をしてから俺はもう一度部屋に入った。
俺はイスに座りカナはベットに座っている。
「シュウ・・・驚かせてごめんね。なんか私、幽霊になったみたいなの。何か未練とかあるのかな??」
「みっ未練って・・・。」
こうして、幽霊になった永遠の16歳のカナとまだ生きている一般学生の16歳のシュウ二人?が再び出会ったのであった。