72 「ヒーローなのに、ただのガキ!?」
首都の通りは喧騒に満ちていた。
角には看板がキラキラ輝く。
「紅のグリフォン」。
ただの飲み屋じゃない。
商人街の誇りだ。
ふかふかの絨毯が敷かれ、
金のホルダーで松明が揺れる。
焼きたての肉とパンの香りが漂う。
店の前では、
召喚された者たちがそわそわしていた。
「…ナギはどこ!?」
桜が腕を組む。
声がキッと鋭く響く。
「一緒に行くって約束したのに!」
「まさか、誘拐されたとか?」
リョウタが真顔で言う。
でも、目は笑ってる。
「冗談やめてよ。」
アヤが手を振って一蹴。
「どうせまた、どこかで引っかかってるだけよ。」
ケイトが口を開いた。
グループ一の文句屋だ。
「ねえ、もっと待つなら肉、冷めるよ!」
「辛え肉が冷めたら犯罪だろ!」
「犯罪はお前だよ。」
サクラが鼻で笑う。
「お前のグチグチ声、耳にうるさい!」
「じゃあ、お前のキーキー声はいいのかよ!」
ケイトが即座に言い返す。
二人がガッと睨み合う。
今にも火花が散りそうだ。
リョウタが疲れたようにため息をついた。
「いつもこうだ。」
「一人が遅れて、他のやつらがケンカ。」
「ヒーローのはずなのに、アイス屋の前のガキみたいじゃん。」
ミズキが手を口に当てる。
クスクスと笑いをこらえた。
「正直、認めたら?」
「ナギがいなくて、みんな退屈してるだけだよね。」
「は!?」
サクラの顔がカッと赤くなる。
「私、別にどうでもいいから!」
「来ても来なくても!」
「ほー、なるほどねー。」
リョウタがニヤッと意味深に言う。
サクラは真っ赤になって、
プイッと顔をそらした。
その時、商人が通りすがる。
チラリと一瞥。
まるで騒がしいガキどもを見るような目だ。
「これが未来のヒーロー、ねぇ…?」
首を振って呟いた。
「紅のグリフォン」の扉が誘う。
できたてのワインと肉の香り。
なのに、ヒーローたちはまだ入り口でモジモジ。
「もう、どれだけ待たせるんだよ!」
カツローがキレた。
ドアの取っ手をガッと掴む。
「俺、入るぞ!」
「ちょっと待て!」
桜がカツローの肩を掴む。
「一緒にって決めたでしょ!」
二人はガッチリ組み合う。
まるで決闘が始まりそう。
リョウタが顔を手で覆う。
「マジで、子供かよ…。」
ミズキがプッと吹き出す。
「ねえ、これが二人の『友情』でしょ?」
「絶対そう!」
その時、足音が響いた。
石畳の道をナギが歩いてくる。
マントで顔の半分を隠してる。
手には工房からの包み。
まるで伝説の旅人だ。
ミステリアスな雰囲気全開。
「お、ようやく来た。」
サクラの声は素っ気ない。
でも、ホッとした響きが混じる。
「ふぁ、ついに王子様のご登場かよ。」
ケイトが目をぐるっと回す。
「次また遅れたら、置いてくからな。」
リョウタがぶつくさ文句。
「私、迷子になったかと思ったよ。」
ミズキがニコッと笑う。
優しいからかいが滲む笑顔だ。
ナギが軽く肩をすくめた。
まるで全部どうでもいいって感じ。
「悪い、ちょっと用事で遅れた。」
「用事、用事って!」
サクラがマネして叫ぶ。
頬が真っ赤に染まる。
「私たちがどれだけ凍えてたか、わかってんの!?」
「…三分くらい?」
「つか、夏だろ、暑いじゃん。」
ナギが平然と切り返す。
みんなが一斉に騒ぎ出す。
「三分!?」
「こっちはケンカ寸前でバチバチなのに、三分だと!?」
ナギはフンと鼻で笑う。
みんなをスルーして、
さっさと店の扉を押した。
「何ボーッとしてんの? 行くぞ。」
仲間たちはブツブツ文句を言う。
皮肉を交わしながら、
ゾロゾロと後に続いた。
中では騒がしい笑い声。
首都の新たなサプライズが待っていた…。
ヒーローたちの騒乱、始まったばかり!
ナギの遅刻で火花が散る!
サクラのキーキー声、カツローのキレっぷり、そして謎めいた旅人の登場…
「紅のグリフォン」の中で何が待ってる!?
さあ、扉を開けて、冒険の続きを今すぐチェック!
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