読者の皆さまへ
最近、世界を見渡すと、不安や苛立ちばかりが目につきませんか。
ニュースを開けば戦争や分断、SNSを覗けば誰かを叩く言葉の嵐。
「生きることって、こんなにも息苦しいものだったのか」と思わずにはいられません。
でも、考えてみれば、人間は昔からずっと同じことを繰り返してきたのかもしれません。
争い、裏切り、恐怖――そして、その中でも「歌」や「物語」を手放さなかった。
なぜでしょうか?
僕は思います。
人はただ生き延びるためだけに生きているわけではない。
食べて、寝て、働いて……それだけなら機械や動物と大して変わらない。
けれど、人間だけは、痛みや絶望の中で「物語」を紡ぎ、「意味」を見出そうとする。
たとえ虚構であっても、それは心の拠り所になる。
この小説も、その「小さな物語」のひとつです。
誰かにとってはただの暇つぶしかもしれません。
けれど、もしほんの一人でも、ここで登場する人物の想いに触れ、
「ああ、自分もまだ生きていいんだな」と思ってくれるのなら――
それ以上の喜びはありません。
世界は今日もざわめき、未来は不透明で、心はしばしば折れそうになる。
それでも、僕たちは読んで、語って、歩みを止めない。
そうやって、絶望に飲まれないために。
どうか、この物語を最後まで見届けてください。
そして、もし少しでも心に残るものがあれば、感想をひとこと書いていただけると嬉しいです。
その声は、作者にとって次の一歩を進むための大切な光になるのですから。




