4 この世界に意味はあるのか?
今回の章では、ナギの内面に深く踏み込む。
少年の選択の重みが、心を締めつける。
過酷な現実に押し潰されそうになりながら。
それでも、彼は前に進もうとする。
崩れかけた家庭の中で、母親は必死だ。
彼女は希望を握りしめる。
だが、ナギの心には虚しさだけが募る。
無感情が、彼を飲み込んでいく。
母の努力も、信念も、届かない。
ナギの深い傷を癒すには、足りなかった。
彼に必要なのは、別の「力」だったのか?
でも、この物語は絶望だけではない。
過去を振り返り、未来への一歩を準備する。
ほんの小さな、光の欠片がある。
最近、よく見る物語のテンプレ。
どんな逆境でも心は折れず、皆を許す。
最強の主人公が、すべてを救う——。
本当に、それでいいのか?
人は皆、そんなに強いのか?
あなたなら、どうする?
――作者
ガタン!
——玄関のドアが重く閉まった。
ナギはよろめき、壁に手を突いた。
「ハァ…もう、どうでもいい…」
人生の意味?
そんなもの、とうに消えていた。
世界は濃い霧に包まれている。
ナギの心は、混沌に沈んだ。
ザザ…
——足音が空虚に響く。
稼いだ金は、母の治療に消えた。
生活は、残りを容赦なく食い尽くす。
父は別の女のもとへ逃げ、
俺たちを貧困の奈落に突き落とした。
母の体は、ストレスで壊れていった。
彼女はナギの支えのはずだった。
でも今…ただの「重荷」に変わった。
ギシ…
——胸を刺すような痛みが走る。
心は、静かにひび割れていく。
そして、ある夜のこと。
家に帰ると、母が膝をついていた。
その手には——小さな赤ん坊。
捨てられた命。
誰かに拒まれた存在。
「これから、どうすればいいんだ…?」
「この子を育てるよ」
母の声は静かだった。
でも、そこには揺るぎない決意があった。
その決意は、壊れた暮らしに最後の石を重ねるようだった。
予算はもう限界だ。
ナギのわずかな稼ぎは、指の間から砂のようにこぼれ落ちる。
体は疲れ果て、骨は軋むように痛んだ。
母は後悔しない。
どんなに辛くても、希望にしがみついていた。
赤ん坊が笑う。
家族が、かたちづくられていく。
でも、ナギの心は凍りついたままだった。
「希望? そんなの、いらない…」
感情は消えていた。
母の笑顔も、赤ん坊の泣き声も、ただ通り過ぎていく。
ドクン、ドクン——
心臓は動くけど、気持ちはもうなかった。
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