37 闇に抱かれる者たち
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デブの奴隷商人が鞭を振り上げる。
次の打撃、準備万端。
だが、その手、空で止まる。
冷たい声。
この場にそぐわない、まるで異物。
群衆から響く。
「もう十分だ。」
人々がサッと分かれる。
ナギが踏み出す。
黒いマントに包まれた姿。
カオスのなか、妙に落ち着いてる。
声、上げねえ。
でも、トーンに鋼の響き。
どんな大声も、ピタリと止まる。
奴隷商人が振り返る。
眉をひそめる。
「お前、なんだ?
俺に指図できるとでも?
この獣、俺の所有物だぞ!」
奴隷商人がエルフの少女の髪を引っ張る。
わざと頭を持ち上げる。
折れた顔、みんなに見せつける。
少女、かすかにすすり泣く。
でも、目には誇り。
まだ、完全に折れてねえ。
ナギがもう一歩近づく。
ニヤリと笑う。
心の奥、揺れる。
ユージとの訓練で話した、あの闇。
翼を広げる感覚。
止める気、ねえ。
「放せ。」
声、低く響く。
空気が、急に重くなる。
群衆、ビクッと震える。
誰かが、思わず後ずさる。
奴隷商人がフンッと鼻を鳴らす。
だが、急に気づく。
膝がガクガク震えてる。
理由、わからねえ。
この若者の視線、まるで突き刺す。
人間じゃねえ、何かもっとデカい存在。
ナギが手を上げる。
マントの影、突然伸びる。
まるで生きてるみたいに。
地面を這う。
鞭に絡みつき、商人の手に這う。
男、絶叫。
冷たい闇、肌を焼く。
炎みてえに。
「アアッ! 何だ、この化け物!?」
ナギ、前にかがむ。
薄暗がりで、目がギラリと光る。
「どうだ、気持ちいいか?
彼女を『所有物』だと?
なら、覚えとけ…
お前、今、自分のものを失うぜ。」
影が締まる。
奴隷商人の鞭、灰に崩れる。
男、地面に倒れる。
焼けた手に、恐怖の目。
エルフの少女、よろめきながら顔を上げる。
ナギを見る。
目、初めて絶望じゃねえ。
驚きと、希望が宿る。
ナギ、倒れた商人から目を離す。
低い声、まるで自分に言う。
「時々、思うんだ…
俺、人間じゃねえんじゃねえかって。
そのたび、確信が増す。」
少女に手を差し出す。
立ち上がらせる。
「立て。
お前、自由だ。」
群衆、ざわめく。
囁きが爆発。
ナギ、気づかねえふり。
ただ、振り返り、歩き出す。
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