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31 「銀髪が告げる死の約束」

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煙が徐々に晴れていく。

そこに残ったのは――死の静寂だった。


破壊された砦の前。

巨大な狼の背後に、いくつもの影が浮かび上がる。


背高く、動かず。

まるで闇そのものを彫刻したかのようだった。


「ふむ……どうやらそうらしい」


最初に口を開いたのは、背の高い銀髪の男。

背中で手を組み、猛禽のような鋭い瞳を光らせていた。


「人間どもは、何が起きたのかすら理解していない。

始まりが訪れたことに――気づきもせずにな」


「大袈裟ね」


真紅のマントを纏った少女が、嘲るように言い放つ。

彼女は巨大な岩の上に座り、二振りの黒い短剣を弄んでいた。


「重要なのはただ一つ。

彼らの首都への道が、今まさに開かれたってことよ」


少し離れた場所に、岩塊のような男がそびえ立っていた。

その腕には、闇のルーンが古代文字のように刻まれている。


彼はゆっくりと狼を見た。


「この獣は役目を果たした……。

だが『彼女』以外に従うかどうかは、まだわからん」


弓を持った狼は、地平線から目を逸らさない。

低く、鈍い唸り声を上げていた。


まるで――警告しているかのように。


その先にあるのは森。

さらにその向こうには……召喚された勇者たちが待っている。


「ふふっ」


真紅のマントの少女は嗤い、嘲るように言った。


「あの『勇者』の中にも、少しは面白い奴がいるといいわ……。

でなければ、退屈で死んじゃいそう」


銀髪の男はゆっくりと首をかしげる。

鋭い眼光が、彼女を射抜いた。


「願望には気をつけろ。

前回お前が『相応しい相手』と言った男は……お前の喉を貫きかけたのだ」


「ああ……」


少女の笑みはさらに深まる。

その瞳は渇望の光を放っていた。


「それが――私の人生で最高の瞬間だったわ」


一陣の風が、灰色の灰を空に舞い上げる。

焼け焦げた砦を背景に、影が踊った。


まるで炎の光で蘇った亡霊のように。


彼らはまだ動かない。

だが、不気味な影たちはただ一つの瞬間を待っていた。


――いつか『勇者』たちと交わるその時を。


そして、真の狩りが始まるのだ。


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