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2 崩壊の刃

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評価やコメントも大歓迎です。

皆さんの声を聞けるのを心から楽しみにしています。


最後まで読んでくれて、本当にありがとう!

ドン!

ナギの拳が兜の騎士に炸裂した。

騎士の体は宙を舞う。

地面にドスンと叩きつけられる。


苦痛に喘ぐ騎士。

うめき声が静寂を切り裂く。


シュッ!

ナギの重い足が騎士の胸に振り下ろされる。

金属がキリキリと軋む。

骨が圧迫され、悲鳴を上げる。


無慈悲な重さ。

まるで墓石のように騎士を地面に押し潰す。


「やめろ! 怪物め!」

群衆の中から叫び声が上がる。


だが、誰も動かない。

恐怖が冷たい鋼の鎖のようだ。

彼らを縛り、身動きを封じる。


「知識じゃない……」

ナギの声は肉を裂く刃のよう。

「戦争がすべてを決める!」


狂気に歪んだ笑み。

兜の影で不気味に光る。

暗闇の中で燃える視線。

それは地獄の炎そのものだ。


世界は凍りつく。

その炎に魅了され、動けない。


ガリッ!

ナギの足が騎士の頭を踏み砕く。

熟しすぎた果実が弾ける音。


骨の欠片が飛び散る。

血と脳漿が地面を赤く染める。

鮮血の飛沫が静寂を切り裂く。


まだ立っていた戦士たち。

恐怖に息を呑む。

彼らの目に映るのは絶望。


心に刻まれる確信――

これが、終わりだ。


仲間たちの叫び声が途絶えた。

ナイフで切り裂かれたように。


ナギは別の騎士の喉を鷲づかみにする。

まるでぬいぐるみのように軽々と持ち上げる。

指が締まり、鎧の金属が不気味に軋む。


冷たい、平坦な声。

感情の欠片もない。


「教えてくれ。誰が正しい?」

「故郷を取り戻そうとする者か? 奪い、守ろうとする者か?」


その言葉が血に濡れた大地に響く。


「民は追放された。

彼らの森は焼き尽くされた。

侵略者は他人の骨の上に街を築いた。」


「自分たちの法を押し付けた。」

ナギの視線が炎のように焼きつける。


「追放された者が立ち上がるとき、誰が正しい?」


静寂。

風さえも止まる。

死の囁きだけが心に忍び込む。


ナギのカルボニウム製の鎧。

禍々しい輝きを放つ。

まるで闇そのものが呼吸し、脈打つよう。


ガキッ!

騎士の首がナギの手で折れる。


ナギは生気のない体を放り投げる。


その瞬間、獣人たちが咆哮する。

狂った猛獣の如く突進する。


肉を裂く音。

骨が砕ける音。

悍ましい叫び声。


すべてが静寂をズタズタに引き裂く。


ナギがゆっくり立ち上がる。

その瞳に地獄の炎が宿る。

人間の怒りではない。

奈落そのものの憤怒が燃え盛る。


「歴史は嘘だ。」

その声が雷鳴のように轟く。


「侵略者の『英雄の偉業』?

すべて偽りだ。

他人の骨と涙で捏造されたものだ!」


一歩踏み出す。

大地が震えた。


「この嘘を、俺は斬り裂く。」

「守るために来たんじゃない……」

「踏み潰すためにここにいる!」


その言葉が戦場を貫く。

静寂を粉々に打ち砕く。

残るのは恐怖と戦慄だけ。


アイリスが顔を上げる。

体は痛みに震え、鎧から血が滴る。

だが、視線は剣のように澄んでいる。

揺るぎない。


「ナギ、お前の『正義』……」

その声は剣が空を斬るように鋭い。


「それはただの言い訳だ。」

「殺人者の言い訳にすぎない!」


カズキが顔の血を拭う。

その声は静かだ。

だが、静寂を撃ち抜く銃声のように固い。


「裏切り者の言葉で、俺たちの正義は揺らがない。」


マサトが咆哮する。

傷ついた獣の如く。

「てめえはただの破壊者だ!

俺たちは仲間を守るため、死ぬまで戦う!」


アイリスが一歩踏み出す。

拳を握りしめる。

彼女の叫びが戦場を貫く。


「我々の光は、決しててめえの闇に屈しねえ!」


ナギがゆっくり手を兜にやる。

低く、ひび割れた笑い声。

空気を引き裂く。


「愚か者ども!」

その言葉が静寂の壁を打ち砕く。


「人間どもは獣人の聖なる森を焼き払った。

鎖で縛り、奴隷に変えた……

それでまだ、自分たちが正しいとほざくのか!?」


「ガアアアアア!」

ナギの咆哮が雷鳴のように轟く。

大地が震え、空気が震える。


獣人の軍勢が一斉に動き出す。

咆哮、足音、武器の響きが溶け合う。

戦場は巨大な獣が目覚めたかのように息づく。


空にシステムウィンドウが浮かぶ。

【獣人軍:士気100%】

【陣形スキル《獣の牙―連撃》発動準備完了】


アイリスは地面に座る。

縛られ、血にまみれている。

その瞳に恐怖が宿る。

だが、奥底では消えない炎が燃える。


「ナギ……お前は怪物だ。」

「命を賭けても、お前を止める!」


なぜナギは変わってしまったのか?

かつての温かな友の姿はどこへ?

アイリスの胸に希望の影がよぎる。

答えは、ナギの過去にある。


「もういい。」

ナギの声は氷のように冷たい。


「今日、首都は落ちる。」


獣人たちが牙を剥く。

紅い瞳が貪欲に光る。

【ナギのステータス:闇の覚醒】

【攻撃力+500%】


ナギの視線がアイリスを突き刺す。

一歩ごとに、足が地面をひび割れさせる。


「獣人の伝説の殺し屋……」

「次はお前の番だ。」


アイリスの瞳に恐怖と炎が交錯する。

風が止む。

残るのは血の匂いだけ。


――戦いはまだ終わっていない。

いや……これから始まるのだ。

最後まで読んでくれてありがとう!

感想、評価、ブクマなど、どれか一つでももらえると作者はめちゃくちゃ喜びます!

今後の展開にも気合が入るので、ぜひ応援お願いします!

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