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1 血と裏切り

この章で、ナギの旅路はさらに暗く、険しくなる。

彼の心は闇に飲み込まれようとしている。


投げ込まれた世界の冷酷な現実に直面し、

衝撃的な決断が彼を待つ。

その先に、残酷な結末が潜む。

どうか、覚悟を決めてほしい。


ナギの闇が目覚めるこの瞬間!

この物語を気に入ったなら、

コメントで熱い想いをぶつけろ!

ブックマークと評価で彼の戦いを支えろ!

「ナギ… お前… 裏切り者…!」


大和の叫びは、血にまみれて途切れた。


その体は、鈍い音を立てて地面に崩れ落ちた。


空気が震えた。


戦いの叫び声さえ、一瞬だけ途絶えた。


まるで世界そのものが、その言葉に耳を傾けたかのように。


周囲には、仲間たちが倒れていた。


地球から召喚された英雄たち。


誰もが荒々しく息をしていた。

痛みを堪えて。


一息ごとに、呻き声が漏れる。

一つの動きごとに、新たな傷が刻まれる。


それでも、彼らの目にはまだ炎が宿っていた。


まだ、折れていなかった。


鋭く、容赦ない視線。

死の淵に立たされても、隙を狙っている。

その瞳には冷徹な計算が脈打つ。


正人――戦斧を握る巨漢。

よろめきながらも、柄にしがみつく。

まだ立っている。


一息ごとに喘ぐような音。

顔は痛みに歪む。

だが、瞳は違う。

そこには炎が燃えている。


迷いも、恐怖もない。

ただ、怒り。

ただ、心に焼きついた誓い。


――裏切り者は死ぬ。


「ナギイイッ!」


引き裂かれたような叫び。

獣の咆哮に近い。

空気は雷鳴が落ちる前の緊張で震える。


その先に――ナギがいる。

静か。動かない。

まるで影そのもの。


黒い手袋に包まれた拳。

骨が軋むほど強く握られている。

彼こそ、一撃でリーダーを墓に送った男。

一瞬で仲間との絆を断ち切った男。


ナギから放たれる圧倒的な力。

空気は重く、ねばつく。

世界そのものが、ナギのそばで息をするのを恐れているよう。


戦場を包む息を詰まらせる静寂。

緊張は張り詰め、過熱した弦が今にも切れる。


ナギの瞳が紅蓮の炎で閃く。

それは光ではない。

地獄の業火が解き放たれたのだ。


彼の体を覆う伝説の鎧――カーボニウム。

その輝きは希望を与えない。

光を喰らい、闇に変える。


鎧の表面は生きているよう。

滑らかな金属が液体のように揺らめく。

反射を歪め、輪郭を砕く。


その奥で赤い火花が瞬く。

消えゆく焚き火の残り火のよう。

その冷たさは骨まで凍らせる。


鎧そのものが意識を圧迫する。

古代の、原初の恐怖を呼び起こす。

目を離すことなど、できない。


その鎧は、ただの防具ではない。

ナギそのもの。

具現化した闇。

形を成した狂気。


傷ついた英雄たちが呻く。

痛みを堪え、這い上がろうとする。

だが、獣人たちが彼らを泥に叩きつける。


鈍い音――ガッ、ガッ!

重い鎖が体を打ち据える。

焼きついた釘を大地に打ち込むかのよう。


大和は血に濡れた拳を握りしめる。

手は震える。

だが、声は弱さを突き破る。


「なぜだ、ナギ!?」

「なぜ俺たちを裏切った!?」

「絶対に許さねえ!」


怒りの咆哮が爆発する。


だが、返ってきたのは冷たい視線だけ。


「わかってるだろ、親友。この方が正義だ。」


その言葉は、氷の刃のよう。

魂を貫いた。


その瞬間、戦場は地獄と化した。

重い空気。

粘つく静寂。

すべてを飲み込む闇。


だが――まだ終わりじゃない。

これは、始まりにすぎない。


ナギの兜の影から、紅の光が閃いた。

最初は微かな火花。

やがて、渦巻く炎と化した。


その瞳には狂気が渦巻く。

死そのもののような、揺るぎない決意。


ナギはもう人間ではなかった。

そのシルエットは伸び、歪む。

周囲の影さえ、触れるのを恐れるように震えた。


鎧の下から、血のような紅の輝きが流れ出す。

一呼吸ごとに、轟くような反響。

その殻に宿るのは命ではなく、深淵そのもの。


彼は夜そのものとなった。

古の悪夢から生まれた魔物。

現実に قدم込んだ、闇の化身。


だが、ナギの胸にはまだ消えぬ炎が燃えていた。

猛烈な、焼き尽くす憎悪。

何が彼をこの深淵へと突き落としたのか?

その秘密は、闇に隠されたまま。


生き残った者たちは、呆然と立ち尽くす。

血を流し、震えながら。

だが、彼らの魂は折れていない。

いや、なおさら抗う。


その中に、アイリスがいた。

部隊の指揮官。

冷たく、美しく、鋼のような意志を持つ女。

その瞳には、痛みと決意が交錯する。

彼女は何か知っている。

ナギの過去。

その影に潜むものを。


ナギはゆっくりと進む。

一歩ごとに、心臓を直に叩く。

トク… トク…

生き残った者たちの心は、不安に震えた。


ナギは兜を外さず、片膝をついた。

傷ついた騎士の前に座る。

戦場には、緊張と恐怖に満ちた粘つく静寂が広がった。


「…これからが本当の戦争だ。」


低く、冷たい声が響き渡る。

大地を染め、血に反響する。

闇の中で燃える瞳には、永遠の火花が瞬く。


「歴史、好きか?」


兜の隙間から、嘲るような笑みが覗く。

「昔は俺も嫌いだった。」


「だが、ある日気づいたんだ。

歴史ってのは、年号や英雄じゃない。

裏切りだ。

戦争だ。

策謀だ。

それが本質だ。」


一冊の本が彼に真実を教えた。

歴史は、ただ一つを語る。


ナギの声は、刃のように空気を切り裂く。

「歴史は常に戦争だった。そして、これからもそうなる。」


その言葉は、氷の嵐のよう。

肌を刺し、心を貫く。


だが、その裏に何が隠れている?

仮面の下に潜む真実とは?


まだ誰も知らない――

これから起こることは、世界をひっくり返す。

最後まで読んでくれてありがとう!

感想、評価、ブクマなど、どれか一つでももらえると作者はめちゃくちゃ喜びます!

今後の展開にも気合が入るので、ぜひ応援お願いします!

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