17 最強の加護は、呪いと共に
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イリリアが唇をキュッと結んだ。
目にチラッと不安の火花が走る。
「父上…『真の英雄』は祝福であり、呪いでもある。気をつけて!」
その視線がサッとナギに向かい、心配でキラキラ輝く。
将軍がバンッと鎧を叩いた。
「魂が不安定なら、脅威になり得る! 厳重な管理と訓練が必要だ!」
貴族たちがチラチラ視線を交わす。
ホールに囁きが広がる。
伝説や言い伝えが、会話の中で生き返る。
不安が城の隅々にジワジワ染み込む。
学生たちはいろんな感情でざわつく。
震える者、怖がる者、ただ呆然とする者。
空気がピリピリ、まるで今にも破裂しそう。
ナギは動かない。
無表情。
自分の運命の重さを隠して、疑いの欠片も見せない。
突然——バチッ!
眩しい閃光!
スクリーンに新しいパネルがポップアップ!
全員がガッと見つめる。
星野 涼太
クラス:真の英雄(True Hero)
レア度:???
「な!?」
ホールが衝撃で爆発した。
「真の英雄…二人!? ありえねえ!」
王が眉をひそめ、将軍と視線を交わす。
「歴史上、こんなことはなかった…」
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イリリアが唇を噛む。
「異常事態? 罠?」
なんだこの展開!?
リョウタがバッと顔を上げる。
「騒ぐなよ。運命が俺たち二人を選んだ。それだけだ。」
その動き、全部に自信がキラキラ輝いてる。
ナギが静かに見つめる。
目が冷たく光る。
「またコイツか…あの男。」
ミズキがビクッと震えた。
「ナギ…リョウタ…なにこれ!?」
視線が二人にバチッと飛ぶ。
リョウタが堂々と顔を上げる。
「騒ぐなよ。運命が俺たち二人を選んだ。それだけだ。」
その目、自信でキラキラ輝いてる。
ナギは静かに見つめ続ける。
冷たい視線が空間を突き刺す。
涼太——完璧な男。
金持ち育ち。スポーツカー、技術、なんでも揃ってる。
テクノロジー、歴史、経済、全部バッチリ。
いつも注目の的。愛され、ナチュラルなリーダー。
「人生は公平だ」って信じてる。
ナギが蔑むように見つめる。
公平? ふざけんな!
コイツが飢え、痛み、喪失を何も知らないだろ?
昔は友達だった。
でも、道は別れた。
リョウタの言葉——「人生はゲーム。勝者は強いやつ。負けたやつは自分が悪い」——がナギの心をグサッと刺した。
今、二人とも「真の英雄」。
ホールに緊張が走る。
二人の違い、めっちゃハッキリ。
この戦いは、外の敵だけじゃない。
内なる悪魔とも戦うんだ。
ナギの心の声:
「リョウタ……」
「あいつはいつも、世界がどれだけ不公平かを俺に突きつけてきた。」
「俺が飢えと孤独に苦しんでいる間に、
あいつは電話一本で何でも解決できる贅沢な暮らしをしていた。」
「『公平なゲーム』なんて、
片方が恵まれた手札を持っていて、
もう片方が何も持っていないのに、
どうしてそんなことを言えるんだ?」
「昔は、俺たちは友達だと思っていた。」
「あいつは俺のことを分かってくれていると思った。
でも違った。」
「あいつは、空腹で夜に泣くお腹の音も、
行く場所のない寒さも、
愛する人が壊れていくのを見ることも知らない。」
「時々、俺の中に闇があると感じる――」
「痛みと裏切りから生まれた闇だ。」
「でも、その闇こそが俺に力をくれた。」
「リョウタには絶対に持てない力だ。」
「俺は外の敵だけと戦っているわけじゃない。」
「自分の内側の恐怖と疑い、
諦めろと囁く静かな声とも戦っている。」
「でも諦められない。」
「もし諦めたら……誰が英雄になるんだ?」
「そして今、リョウタと並んで立ちながら分かっている。」
「俺たちの戦いは、この王国のためだけじゃない。」
「真実のためだ。」
「不公平でも、それでも戦う価値のある人生のために。」




