14 「ここは教室じゃない」
ナギの視線が凍りつくように冷たい。
言葉もなく、柱の影にスッと消えた。
肩が下がる。
もう目立つ必要はない。
全部、終わった。
胸の奥でうずくまってたものが爆発して、皆の耳にガツンと響いた。
今は——静けさだけ。
意識がどんどん闇に沈んでいく。
ミズキは固まった。
顔、真っ白。まるで粉をまぶしたみたい。
このナギ…もうナギじゃない。
教室でバカやってたあのナギじゃない。
目の前にいるのは、まるで別人。
「ナギ…どうしちゃったの…?」
ミズキのつぶやきは、ホールのざわめきにかき消された。
ガシャン!
金属の音が響く。
黄金の鎧が歩くたびにジャリジャリ鳴る。
重いブーツが石の床をゴツゴツ叩く。
ギィッ——。
でっかい扉が軋んだ。
そこから現れたのは、一人の少年。
まるでアニメの主人公そのもの——完璧なイケメン。
長い髪が肩でユラユラ揺れて、光を跳ね返す。
目は自信たっぷり、鋼みたいな輝きを放つ。
「俺の名はレオン!」
声はデカくて、めっちゃ堂々としてる。
「第一王子、軍を率いる者だぜ!」
彼の声は深く、響き渡るものだった。
それなのに、どこか奇妙な柔らかさを帯びている。
ミズキの心臓がドクンと落ちた。
「巫女から話は聞いてるよな?
ようこそ、英雄たち!」
レオンがそう言った。
そしてニヤリと笑う。
一歩踏み出す。
その笑顔だけで、ホールの視線を全部さらった。
女子たちがざわざわと囁き合い、興奮した目を見交わす。
「うわ…マジでイケメンすぎ…」
レオンの鋭い視線がホールを見渡す。
どの仕草にも揺るぎない自信がみなぎってる。
「俺についてこい。
迷ってる暇はないぜ。」
その歩みは、まさに本物の将軍そのもの。
学生たちはまるで催眠術にかかったみたいに、次々と後に続いた。
ミズキも歩き出す。
心臓はバクバクしてるのに、足は勝手に動く。
「玉座の間に連れてく。」
レオンは振り返らずに言った。
「そこで答えが得られる。」
一行は廊下を進む。
壁は黄金の模様で輝き、窓からは神聖な光がキラキラと溢れてる。
まるでRPGの最終ダンジョンから飛び出してきたみたいだ。
ミズキは気づけばナギの隣にいた。
頭の中はぐちゃぐちゃ。
他の学生たちは豪華さに目を丸くして、まるで夢の中にいるみたいに感嘆の声を上げてる。
でもナギは、やっぱり柱の影に身を潜めてる。
その視線はステンドグラスを滑り、目に宿るのはまるでハンターのような鋭い興味。
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