90 「ミノタウロスの咆哮」
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これからも、もっとドキドキする展開が待っています。
一緒に、この旅を続けてくれると嬉しいです。
どうぞよろしくお願いします!
ミノタウロスが咆哮を上げる。
その唸りが地下牢を満たし、壁に反響した。
ナギとハルは息ぴったりに怪物に躍りかかる。
「行くぞ、同時に!」
「了解!」
剣の激突が床を震わせた。
ミノタウロスは一歩後退し、さらに後退する。
「くそっ、畜生!」
ハルは背中の傷をものともせず叫び、再び突撃した。
炎と光の呪文が獣に息つく暇を与えない。
ミノタウロスは痛みに唸るが、打撃を受けるごとに動きが鈍くなる。
その時、雷のような声が響いた。
「退却だ!生徒たちは全員出口へ!」
ラグノルド隊長と騎士たちが戻ってくる。
小型モンスターを払いながら、生徒たちとの間に盾を構えた。
「このダンジョンの危険度を過小評価しすぎていた……」
彼は顔を曇らせて呟く。
通常は弱い領域だったはずが、今やまさに地獄絵図だ。
ナギは息を整えながら、ミズキとケイトの無事を確認した。
サクラは泣きじゃくっている。
「ゆ、ユウジ……!」
ナギは駆け寄り、彼女の肩に手を置いた。
「落ち着け、サクラ。ユウジは……?」
しかし振り返っても、ユウジの姿はどこにもなかった。
ナギは戸惑い、声を漏らす。
「……え?ユウジはどこだ?」
背後では、ラグノルドが残るモンスターを撃退し続けていた。
生徒たちが整列して退却する時間を稼いでいる。
地下牢の暗闇で、何かがまだ蠢いていた。
しかし、それに気づく者はいない。
微かに漂う沈黙。
不安な空気が地下牢を包み込む。




