88 「英雄の覚醒」
ブックマークしてくれた一人の読者に、
心から超感謝!
俺のノベル、全部、
放置してたやつまで入れてくれるなんて、
ハハ、本当に最高だ!
マジで、君は本物の英雄だよ!
この章、
もっとガッツリ楽しんでくれたら嬉しいな!
ナギはなぜ走り出したのか。
わからなかった。
ミズキを救いたかった?
それとも、どうでもよかった?
自分でも答えが出ない。
胸に恐怖はなかった。
あのねっとりした、いつもの感覚がない。
ただ、衝動だけがあった。
化け物に飛びかかりたい。
狂おしいほどの欲。
死んでもいい。
まるで英雄の死を望んでいるみたいだ…
わからない。
もう、どうでもいい。
ナギは剣を握りしめた。
強く。震える手で。
跳んだ。
刃先が化け物の左目に突き刺さった。
ズブリと。
「グオオオオオッッ!!!」
咆哮が廊下を揺さぶった。
音が骨を震わせた。
耳がキーンと鳴る。
英雄たちは凍りついた。
魔法なんかじゃない。
ただ、恐怖だ。
ゴブリンをゲームのようになぎ倒す?
そんな簡単な話じゃない。
こいつは生きてる。
目には怒りがギラギラ燃えていた。
リョウタが最初に後ずさった。
顔が恐怖で歪む。
そして…逃げ出した。
ミズキを置き去りに。
その瞬間、ナギは見た。
リョウタの足元。
液体が伝っていた。
やつ、漏らした…!
「…マジかよ…」
ユウジが呟いた。
武器を持つ手さえ、忘れてる。
「ハハ…モンスターがその臭いでビビるかもな。」
ケイトの声。皮肉っぽい。
でも、誰も笑えなかった。
ミズキは石像のよう。
叫べない。
動けない。
騎士たちは助けに来なかった。
他のモンスターに縛られて、動けない。
ラグノルドが振り返り、吠えた。
「衛兵! 持ちこたえろ! 恐怖に負けるな!」
だが、言葉は空に消えた。
誰も聞いてない。
咆哮に呑まれていた。
バッファローが頭を下げた。
ミズキをまっすぐ狙う。
目は血走り、ギラギラ輝く。
地面がドンと震えた。
その瞬間、ナギの視界が光った。
画面に文字が浮かぶ。
――【クリティカルヒット!】
――【新スキル《挑発》を獲得しました】
――【経験値 +350】
…スキル?
今かよ?!
画面がチラつき、消えた。
ナギは剣を構えた。
体は震えている。
でも、恐怖じゃない。
決意だ。
「くそ…今俺が立たなきゃ…」
「誰もやらねえ!」
ナギは一歩踏み出した。
ミズキとモンスターの間に。
バッファローが咆哮を上げた。
猛烈に突進してきた。
地面が揺れる。
その瞬間、ハルが飛び出した。
これまで黙っていた男。
「ナギ、英雄はてめえだけじゃねえ!」
「馬鹿野郎!」
ハルの剣がキラリと光った。
ナギの隣で。
だが、誰も気づかなかった。
闇の中で、何かが動いていた。
読者のみんな!
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