タバコのポイ捨て
新宿の街を歩くと、必ずタバコの吸い殻が街の端っこに落ちている。
喫煙禁止区域を作ったことで、
人がタバコを吸わないかと言われると、やはり吸うのだ。
タバコを吸ったら、タバコのゴミを捨てる。
丁度歌舞伎町に行くキャバ嬢が、街の端でメンソールのタバコを吸ってから、ポイと捨てた。
僕がそちらを見ると、キャバ嬢がこちらに振り返った。
「なんか文句ある? あたしがタバコを吸うのは、この新宿のくそったれの街が大嫌いだからよ」
・・・同感だ。
人が多くいるのに、いちいち金の取り合いで汚い諍いが絶えない新宿の街が僕も嫌いだ。
世の中で仕事にならない、お金にならないが、どうしても、人の手が足りなくて仕事にならないものってある。
例えばそれは、路上のタバコのポイ捨てだったりする。
今日、僕は常に12000円アルバイト雇用で、タバコのポイ捨てを拾う仕事をしている。
僕は新宿でタバコのゴミを拾いながら叫んだ。
「おりゃああああ。なぜか、人はゴミを出すなと言っても、路上やどこかにゴミを捨てるだろうがっ!!! それをなんで、近所の人間が拾わなきゃならない!!! そんな暇、都会にはねえから、都会の街はゴミだらけだろうがっ!!!」
人がゴミを捨てるのは法令で禁止するだけじゃ足りない。
人が住む町はその町を守りたい人間はきれいにするが、その町が大嫌いで無理矢理働かされている人間は、きれいにしない。
ふぅ。
なんとか仕事を終えて帰ってくると、如月さんが、コーヒーを淹れてくれた。
「お仕事おつかれさま。アルバイトがんばりましたね」
常に12000円アルバイト制度は、やっぱり絶対に世界に必要なものだ。




