皇太子システム
渋谷で上月さんが言った。
「日本人は生きられると騙されている。ほとんどの人が色々な地域に移動するから、定住している人間だけの世界になって、まるで平和な世界に見える。だけど、仕事を探して全国を点々とした人間は、そこでお金が尽きると餓死するようになってる。市役所でもどこでも窓口もないし、訴えても誰も浮浪者だって相手にしないから。みんなが死んでいても気づかないの」
上月さんの言うことは事実だ。
世の中に高時給の仕事がまるで溢れているように見えて、
実は雇われるのは、金持ちの血族の一定の子どもだけで、
年収700万以上の求人は金持ちの子どもだけに限られている。
なにがキャリアだと言われると、金持ちの息子自体は部長以上で、同じく金持ちの息子と、酒を飲んでいただけで、
会社の取締役としてキャリアになる状態になっている。
学歴社会でキャリアを積んだとか言っても、
実に部長以上の息子ではないので、みんな好きに5年くらい使われてクビを切られて、転職を繰り返す状態になっている。
とんだ誤魔化しだ!!!
採用されない人間はドンドン仕事がなくなり、お金が尽きて餓死や自殺するようになってる。
それが、日本のNECが開発した、淀橋の日本人殺し隠し皇太子金持ちシステムだ。
SSSクラス冒険者として、僕は許せない。
みんなが言う。
「平和な世界ねぇ・・・」
平和じゃない。陰で、みんな自殺してる。
一見きれいに見える世界で、人が人の影に隠れて死んで行く。
上月さんが言った。
「私はあなたに従うわ。あなたの背中を守って、あなたが死ぬまで一緒にいる。私、あなたのために死ぬの」




