警備員指導教育責任者に合格したので、冒険者初心者講習を考えてみる
巣穴に立て篭もる『なろうゴブリン』を全滅させろ。
ただしこちらの手駒は訓練を受けたことのない力自慢の田舎者と多少魔法が使える街育ちのもやしのみ。
(※なろうゴブリンは仮名。民話のゴブリンの名誉のため。『第八輪世界』では餓鬼族。なろうは小説投稿サイト『小説家になろう』から)
無理だろ。なめんな。
並のなろうゴブリンならそんな強くない(※むしろタイマンでは体格に勝る武装した人間が上)としても、相手もそれを理解しているからなあ。
とりあえず婦女暴行種族設定はやめてほしい。
鴉野はフェミストではない。
しかし弱者を虐げるのが当たり前の世界ではニート兄貴や呑んだくれ親父の栄達のため妹や娘が身体を売るのが生存戦略になり得ることを100年くらい前にトルストイさんが既に指摘していることくらいは知っている。
筆者はなぜに所謂なろうゴブリンの婦女暴行種族設定が気に入らないのか。
民話とかを鴉野が好きなのももちろんある。
あるがそれだけではない。
安易にエロゲーというエロのファンタジーを夢溢れる冒険ファンタジーに輸入してくる神経の浅はかさに嫌悪感を抱くからだ。
繁殖に人間が必要なら人間いないと滅ぶだけじゃないか。
生物として破綻している。
まあ、緑の肌をしていても生物学上は人間なのかも。
それなら納得だが、母親の胎食い破って生まれてくる、なろうゴブリンしか生まれてこないという謎アクティブさと借り腹と表現される生態が疑問になってくる。
こいつらどっかの植物みたいに他種族の母体を利用して、あるいは別種の花粉もとい精を使いハイブリッドコピー体をつくっているのかしら。
まあ所詮異世界だから、地球とは違うのだとできなくはない。
ギリシャ神話の神様みたいに服に男性のあの液ぶっかけたら誕生だの雲で人形作ったらその雲と生殖といったこともファンタジーな異世界ならあり得るし、人間はどっかの木の股から生まれる可能性もある。
しっかし、まじで脆弱種族設定だけどいいのかこのなろうゴブリンは。
人間の娘を襲って、あっという間に育って生まれてくるし母体を破損する可能性があるとか、繰り返すが真面目に考察するのも馬鹿馬鹿しいエロゲー設定で困る。
母体の負担ハンパねえぞ。全妊婦がキレる。
余談だが子供を産むと母体は愛情ホルモンであるオキシトシンを発して母乳を出すが、こんな過酷な環境で母乳が出るのか極めて疑問なので、一部の蜘蛛みたいに子供が産まれたら即親子で殺し合いは案外アリかもしれない。
(※と、思ったら蜘蛛が共食いするのは社会性を学習していないからという研究があるのを2019.07.04.のバイリンガルニュース過去ログで知って頭を抱えている筆者)
少なくともゴブリンの巣で救出した女性たちが怯えていたり精神崩壊している描写はあっても『赤ちゃんを殺さないで』と言い出す描写を見たことがない。
遠慮なく有害生物の幼体は殲滅することにしよう。
よし。こんな生き物は危険だから戦うのは良くない!
話せばわかる。戦うの良くない!
鴉野は戦わなければ正義だと盲信できる精神を持ち合わせていない。
害獣は駆除してもらうしかないと考える。
平和主義者だけどゴキブリは大好きという人は結構稀だし、そうでないなら地球人類を滅ぼすか投票したら昆虫やらその他圧倒的な多数決で殲滅が決まる星新一の短編でも読んで欲しい。
だが、こいつらなろうゴキブリ、もといなろうゴブリンを冒険者雇って殲滅してもらうとか、あるいは気まぐれなお貴族サマの軍隊に任せる必要あるのかしら?
筆者の予想では家畜に色々ムラムラをぶつける男が村に一人いたら戦わずしてなろうゴブリンは全滅する。
バカみたいな話だが謎の地方病を調べたら原因はそういうおっちゃんだった事例が現実世界にあるのだ。現実世界パイセンパネエ。
被害を受けた種族が人間だから大事にならなかった。いや充分大事だが。
どっかの漫画のトーマス・シートンをモデルにした囚人先生とかは存在だけでやばいのに、己の欲望を満たしているだけでなろうゴブリンを殲滅する英雄になれる。
英雄として名を残すひとが可視化されてしまっている場合、それだけで本来失敗であり、可視化される前に殲滅できている方が成功なのであることは何千年も前から指摘されている。
見つける前に芽を摘め。魔法少女プリティベルの大田景ちゃんみたいなのが本来理想である。警備会社的には報酬にならないが。
しかし幾度も幾度も繰り返すだろうが、本項はなろうゴブリンの殲滅をすべくど素人のガキども少数を訓練することでこの難業をなさねばならないのだ。これをするなら一つの指輪を火口にぶち込む方を筆者は選びたい。
……剣と魔法の冒険世界にこんな変な種族いるのかしら?
そもそも別のお話にならないかしら?
熊や樹木や鹿の雄を襲ってハッスルしているだけでやばい姉畑先生。
適当にいろいろな植物や獣をハッスルしているだけでなろうゴブリンも滅ぶ。
あいつマジやりやがった! 不死身のスギモトでもリスペクトせざるを得ない。
やってないのにやった。
知らないうちに敵対種族殲滅やったぜ。
マジなに言ってるおまえ。
人間には直接は無害な鳥インフルとかもなろうゴブリンにはやばい病気かもしれない。
上記に限らず、疫病の病原体を人間は進化の過程において驚くほど保有しているのだ。
当然、進化の過程でこれらを無毒化させたり、抗体を持ったり、人間社会に敵対種族を取り入れて無毒化している。
麹菌や納豆菌は本来有毒だが、人間と暮らす上で不要なので無毒化した。
アーモンドなどもそうだ。なろう主人公が万難を廃して開発する醤油は麹菌さんにとって『タンパク質さえあれば大豆なくてもイナゴでもカイコでも髪の毛でも作れるよ』なのは覚えておいていい。
それでもなろうゴブリンさんが人間と戦う前から病気で殲滅されてしまうのは、人間である我々にはイマイチピンとこないだろう。
例をあげると、コウモリさんと致すことを考えてみるといい。
コウモリさんはネズミに近い哺乳類のくせに空を飛べるよう進化しているので色々なものごとを投げていて、抗体そのものがなく、従って病原菌に侵されても傍目症状なく元気に活動し、唐突に死ぬらしい。
(※抗体があるという論文もあります。どっちだ)
ちなみにコウモリさんは地球上では類の数めちゃくちゃ多くて勝ち組種族である。
もちろん彼らと人間が致すととんでもないことになる。
翻ってなろうゴブリン対策だが、おそらく境界線の祭壇に古びた毛布でも入れとけば勝手に滅ぶ。
この辺は『銃・病原菌・鉄 1万3000年にわたる人類史の謎』 (草思社文庫)でも読んでほしい。
この本は個人レベルでは数千の植物の見分けができ、とんでもなく賢いはずのニューギニア原住民がなぜ世界の覇権を取れなかったのかをマジで検証している。
翻して多分なろうゴブリンだって薬草やキノコの区別くらい……つけられないかもしれない。うん。
しかし人質とっていて暗視可能。
生まれて言葉もまともに扱えなくともすぐ戦力化する生き物に対して、自滅を待たずに本拠地に攻めるという本稿趣旨を考えるとなると一気に難易度が上がるのだよなあ。
なんだよこのチート設定。
ちゃんとやれば人間くらい滅せるだろ。
まじめにやれよ、なろうゴブリン! 人間なんて滅ぼしてしまえ!
村娘をさらって被害を拡大できる以上、敵はおそらく少なく見積もっても数年以上生存して被害者女性たちから病原体を多数獲得しても生存し、飢えから泥でも糞便でも木の皮でも口にしてかなりの病原体耐性を得ているはずだ。
つまり気をつけろ! 敵は童貞にあらず!
……なんかゴブリンがどっかの大学のウェイに見えてきた。
やはり滅するしかない。これは決して私怨ではない。
しかし、まともに生物として考えると、病気耐性がなくばなろうゴブリンどもは村娘をさらった時点でおたふく風邪で生殖能力を失い、はしかで全滅している。
やっぱり敵にならない。
だから人間のわけわからん食性その他舐めるなってことである。
人間はどうしようもない毒いものこんにゃくいもですら食い、超猛毒を持つ玉ねぎやじゃがいもを保存食として喜んでため込む。常温保存できるってことはそのぶんバカみたいに抗体や毒を持っているということである。
え、うちの世界のゴブリンは病気耐性がある設定にするって?
あなたはこの誰も傷つけなくていいインターネットにおいて、わざわざ他の作者に喧嘩を売るかのようなバッカバカしい論考を長文で長々書かずとも、『うんこー』とか言ってれば平和に暮らせるのにあえてこの記事書いているのがわかっていないのかあえておもしろいから言い出したのか筆者にはわかりかねる。
とりあえずそういうかたは筆者が初期作時点で、エルフを『毒病気無効、女性は完全回復魔法と病気毒治療魔法が使える』(※男性は勇気の精霊魔法がつかえる)設定にして、えらいことになったのは想像出来なかったらしい。
善意で病気を治して回るエルフ女性一人に結核やペストとか持たせると国が滅ぶ。
だって彼女、ペストでも結核でも罹患しないし、片っ端から患者の病気の症状や病気そのもの、患者についた菌やウィルス根絶して治せても、自分についた菌やウィルスを殲滅しているわけでないからファンタジー世界な衛生では結局都市が滅ぶのは避けられないもの。
なお、この危機に対して、チーアは経験則と観察のみで推測し、発症していない看護者にこそ病気治療の魔法をかけて、救護所の衛生をしっかりして結核を殲滅している。
かように人間の持っている病原体の多様さは舐めてかかると痛い目に遭うが、敵であるなろうゴブリンが常に飢えている特性ゆえになんでも口に運ぶ食性を持ち、その過程で極めて稀なことに人類の病気に耐性を持って、うっかり生き残ってしまえば人間の縄張りとの間で紛争が発生する、したと仮定しよう。自分でも無理があると思うが。
にしたってレアな事例だろうが、可視化されるなろうゴブリンは稀な事例なのだ。
だいたい安全なところや貴族宅に、都合よく転移したり、嫡男として生まれたり、転移早々貴族のお姫様を偶然助ける確率を考えていただきたい。
なろうゴブリンがたまたま人類の病気に一部耐性を得るなんて多少の|運命の悪戯《ゲームマスターの悪ふざけ》でしかないではないか。
いや、単純にゲーム的世界であり、ランダムPOPする設定なのかもしれないが、その際はそのダンジョンなりPOP場所を封印するか農場的にPOP即殺処分な農場化すればよく(※実際のMMOにおけるリアルマネーファーマーと同じ行動)、警備員指導教育責任者の出る幕などない。
こうするとなろうゴブリンは討伐証明の耳と魔石を供給する家畜になるので少なくとも人間は困らない。この方が本稿考証は捗る。
よかった。冒険者はなろうゴブリンと戦わずに済む。
ダンジョンは鉱山と化すし、工事現場におけるKY(危険予知)活動万全にすれば受傷事故もなくなる。
あれ? ここ冒険ファンタジー世界だった。
しかし。上記考証に筆者は根拠を示せない。
架空世界の話なので統計のとりようがない。
統計をとったことにしても作者が意図した結果にするしかない。
そしてそれは統計ではなく設定である。
『常に飢えていてなんでも口に入れる。村娘をさらって自分たちのクローンを産ませる。その際に村娘は胎を食い破られて死ぬことがある』
こんなエロ漫画設定種族が人類にとって変わらないのは数を増やすために人類が必要かつ、人類のシステムが彼らの増殖を抑えていること、そしてそれ以上に彼らがある程度増えると自滅しているものと推測できる。
あるいは我々が認知できていないだけで、POP即殺農場が結構あるのだろう。
転生者であるなろう主人公が知らなくていい世界の真実かもしれない。
POPする設定の方が精神的負担としては穏やかであるが、正直冒険世界にならない。
だって管理できるもん。
なんで野生動物的に扱う必要が人間側にある。
ダンジョンもなろうゴブリンも設定がわかれば家畜化できる。
と、なると変な動物枠にするしかない。
警備員は人権を守らなければならないが、なろうゴブリンはたとえ言葉が話せても器物扱い動物扱いにするしかない。
やっぱり病気で倒す方がいいよなあ……。
アメリカ人の祖先やってることはクソド外道だが賢いよなあ。
しかしそれでも本稿は『いざ挑まん餓鬼族の巣穴に』なのだ。面倒くさい。
こんな敵の本拠に攻め込むとかSWATレベルの難易度で昨日農村から出てきたとか町暮らしの若者達ではかなり無理ある。
受傷事故待ったなし。
死亡事故とか最悪だ。
少なくとも筆者は警備……襲撃計画書きたくない。
実際、拙作『夢を追う者たち』でもショーンたちを鍛えてから実地である餓鬼族の巣に送り出している(※おそらく初めての時はロー・アースが同行して指導教育している)し、『星を追う者たち』のシーラ ・カンスのように必ず一人はベテランを新人につけて実戦に送ることになっている。
まだギルド制度に移行していない『冒険者の店』時代でこれだけの整備が成されている。
しかも各国共通規格。
この世界、転生者たちも現地人も業務改善頑張った。
しかしそれでも状況を考えると、やっぱり負傷事故は避けられないようだ。
タイトル詐欺だが、現実世界の警備員指導教育責任者制度を冒険者に当てはめるのは無理がありすぎる。
繰り返すがどう考えても負傷事故は避けられない。
そして現代の警備員指導教育責任者は受傷事故を認めない計画作成が九割と言っていい。
それは綿密なる現地調査と前例考証によってなされる。
この時代の地図って現代のGoogleマップとかと比較にならない杜撰なものだろう。
そもそも軍事上地図を間違えて描くのが世界的にも歴史的にも普通なのに正確に描くのがデフォルトのゼンリンさんがある平和国家日本の方が異常だが、それでも受傷を避けるべく冒険者の店は全力で調査するものとしよう。
その上でさらに無理そうだけどあくまで冒険ファンタジーレベルの世界において新人冒険者たちを餓鬼族の巣穴に送る場合、基本教育一日でできるとしたらを、無理矢理真面目に考えてみた。
なお、『冒険者の店』の店主エイドはTRPGでいうところのガチなマンチキンプレイを推奨している。
巣穴に入るな出入り口を封じろ燻出せ水攻めしろ子供一匹たりとも逃さず殲滅しろ。
農家にとってのアライグマよりやばそうだな餓鬼族。
なろうゴブリンなら尚更だ。
知人のカナダ人曰くマジでアライグマはやばいらしい。
ちなみにカナダは『あらいぐまラスカル』の舞台である。
閑話休題。
では訓練メニューを考えたので以下。
まずは軽く1500メートル刀剣鎧荷物マント着装のフル装備ダッシュから始めようか。
え? 人権意識?
ここはもうファンタジーの世界である。
警備員指導教育責任者としての感覚は一時棚上げせざるを得ない。
(※1キロメートル走れたら大抵の敵から逃げられます。人間の走破能力を測るなら1キロ走がベスト。参考資料『最高の走り方』)
汗を流すためと称してドロまみれヒルまみれの25メートルの沼を泳がされる。
(※逃げる時にせよ攻める時にせよ泳げなければ大抵は溺死します。町暮らしや内陸の人は泳げないことも多々。中世の街道はかなり良く落とし穴が掘ってあったり水が溜まっていたりする)
ヒルを剥がしつつ2分以内に眠る方法の講習。
(※短時間睡眠は現実世界の軍隊でも真っ先に習う。
参考文献。『たった2分で眠りに落ちる睡眠導入法!米軍採用のお墨付きで、96%のパイロットが成功』
https://finders.me/articles.php?id=2129)
基本講習は全て10分から20分(※人間の集中力の限界)ごとに目を閉じてY字バランス30秒。
これは複数のことを考えるのが苦手な脳の特性を踏まえて、集中力低下や教官への反抗心リセットを試みる方法である。
腕立て伏せ十回や四股踏み十回といった基本的な無酸素運動トレーニングを正しいフォームで超短時間のみ行う訓練もやろう。
気をつけ右向け左向け回れ右休め気をつけ礼及び全体走れの集合訓練も交えるといいだろう。
(参考文献。「めんどくさい」の正体を脳科学者に聞く
https://lidea.today/articles/002134?utm_source=tw&utm_medium=social&utm_content=2134&utm_campaign=contents_share)
訓練が終わったら救出要員として隠れていたエルフの美男美女、担当受付嬢や『子供たち』(※他の世界のハーフリングに相当し、見た目は幼児そのもの)の美少年担当が駆け寄ってきてくれ、泥に塗れるのも厭わず綺麗な水で洗ってくれる。
え、女性のなんちゃら? 児童労働?
この世界にはまだフェミズムなどないし、そもそも地球と異なり女性と男性の身体能力差はほぼなく、魔法適正に至っては女性の方が不安定ながら全体的に優れている。冒険者の男女比率はかなり平等である。
それでも将来的に女性蔑視の社会になることが確定しているが、作者としては不本意なのだ。
短編で悪役令嬢とか描きすぎて、無駄にこの世界にて身分制度を存続させてしまった。
魔道帝国が亡んで即民主主義の理想を持った『最初の剣士』伝説がある世界であるのに、不当に身分制度で苦しめられる人々がいたであろうことに作者として慚愧にたえない。
作者の個人的感情より、新入りどもにとっては、己が汚れるのを厭わず素手でヒルをとって手当てしてくれ、泥を洗い落として笑顔を見せる担当受付嬢やハーフリングの美少年担当受付官の方が重要だ。
恋しちゃうかもしれない。
全てを知る立場である作者としてはすっかり騙される新人どもが哀れである。
こんなのは歯医者のお姉さんが大好きな子供と同じだが、書籍『ファスト&スロー』言うところのピークエンドの法則に基づいている。
現実世界の企業論理やジェンダーギャップ解消コンプアライアンスは完全に無視である。
ただ、勘違いした新人どもから担当受付を守るためギルドは護衛をつけねばならないが。
現実の警備員指導教育でもそうだが、集合訓練はかなりガチで生死を分かつ。
余談だかキビキビ歩き気をつけ姿勢を崩さず立哨する制服着用者は単独でも部隊行動しているように見えるので喧嘩を売る奴がへる。
訓練メニューの話に戻る。
訓練生に10秒だけ時間を与えて、獣のうんこや泥に頭突っ込んで大喜びの犬(※臭いを絶つための本能らしい)のようなガチコマンドかくれんぼを交代でやらせよう。
人権?
新人どもに生きて帰ってもらってから語りたい。
死んだやつには人権は語れないのだ!
十分間、兜にマント(※誤解されていらっしゃる方は多いが、マントや盾は見栄のための装備ではない。雨具にも敷物にも毛布代わりにもなり、装着時は背後からの矢玉を多少防ぐ)つけて障害物ありまくりの野山や市街をパルクールよろしく直線コース限定十分間鬼ごっこもしてもらおう。
これは漫画『魁!男塾!』の男塾名物直進行や映画『21面相伝』じゃあるまいし町の人には迷惑極まりない。
でも漫画『怪獣自衛隊』でも木を活かして敵に無駄に走らせ自分たちは直線で走る訓練をしている。
ぶっちゃけ本気で追う敵から逃げるのは難しい。
逃げる前に身体が固まることもある。
逃げる訓練は武器訓練より有益である。
鬼役は石を投げることでタッチ判定。
鬼畜な気がする。
警備員指導教育責任者なら確実に隊員さんたちから訴えられる。
石が嫌ならバドミントンの羽みたいなもので良い。
バドミントンの羽を使う訓練は筆者近所の子供達が路地裏で安全にキャッチボールをするために生み出した方法で極めて安全かつ合理的である。
タッチされたら鬼役交代。
昼は先輩方が前日に仕掛けた罠猟の成果を補助してトドメさしたり解体したりの講習。
さらに罠やロープ実技の簡単な実技指導を受ける。
釣り採取訓練。
近隣にある有効資源の使用採取講習に費やす。
え? 武術の訓練はしないのかって?
確かに人間の利点は書物などを用いて嘘という文化や知識の共有にある。その中には武術も当然含むであろう。
例えばスキル『二段突き』を発動したら物理法則と関係なく剣で二段突きできる事象が生まれるような世界でも、人間がいるならスキルの使い方があり、それが武術となる。
その上で気になる刀剣の扱いは『そもそも剣とは何か』という本質的理解が必要である。
剣というものは携帯性がある範囲で最もリーチがあるから冒険者の装備に選ばれているだけである。
現代における剣とはアサルトライフルである。
なので使い方はあえて教えない。
そもそも一日で剣は使えない。
棍棒でも持たせた方がコストパフォーマンスがいい。
冒険者の宿としては剣を買ってくれた方が儲かるが。
そもそも剣を素人に持たせても大抵自滅する。
それを餓鬼族もよく理解しているだろう。
繰り返すが素人が剣を使うくらいなら、棒だの石で殴ったり遠隔した方がマシ。
これは『図説決闘全書』で示された、貴族と平民の決闘裁判をしたら、棒しか持てない平民が貴族をフルボッコにした歴史上の前例からも説明できる。
剣は訓練期間が必要なのだ。
拙作世界における『餓鬼族』は人間をレイプしてコピー体を作ることはないが、ニホンザルのような体構造を持っており人間と違って骨格の都合で力は強い反面、石などを遠くに正確かつ高威力に投げたり、道具を精緻に使うのが苦手ということにしている。
個体を少し強くし、種族を弱くしたということだ。
小柄かつ腕の可動域が狭い。
なので肩の可動域に優れた人間のように身体を超える長さの武器を当たり前のように扱ったりするのも苦手。
彼らは肩甲骨の可動域が狭く、大型の弓を大きく回して伸ばし切るのではなく子供の弓のおもちゃのように粗末な弓を軽く引いて撃ってくるので射程もしょぼい。
でも毒あるいは彼らの糞便が矢尻に塗ってある。
足は猿と違いジャンプ力があるわけではなく人間同様遅いかわりしつこく追える作り。
ただし彼ら自身に根気がないのでほどほどで諦める。
あるいは作中のファルコのように興味があっちこっちに移ってどうでも良くなる。
だから『餓鬼族』なのだが、この世界の人間は餓鬼族とは基本ほどほどに干渉せずうまくやっている。
しかし万が一人間と餓鬼族が争いに発展した場合、上記のえげつない手法で攻撃してくるため、拙作世界のギルドは戦闘そのもの以上に応急救命処置講習に熱を入れている。
特にチーアの指導教育は厳しい(※しかし親切丁寧)と評判。仕方ないね。
現実世界の警備員も警戒棒を使うより周りの環境を使えと教えられる。
さて、気になるなろうゴブリンに対する楽しい実戦講習の話に戻ろう。
コロコロ投げられ足かけられタックルされあちこちにあるロープ罠で転がされ目に砂をぶつけられつつ、刀剣の基本的なにぎり方と抜き方拾い方の練習のみ。前衛や盾を装備可能な後衛はその講習も受ける。
繰り返す。何故剣を教えないか。
実際の警備員だって限られた護身技しか教わらない。
まあ日本は平和だし交通誘導任務程度で殴り合いする愚か者はいないのだから仕方ないが、実技資格試験ですらも片手でほぼ数えられるほどの技で済まされる。
では覚えの悪いであろう新人どもに護身を仕込むなら何を教えるべきか。
新人冒険者に教える技は剣や棒や杖を用いた股間及び足狙いの転倒技であろう。
時として武器を手放してもいい。
6フィート棒で突き飛ばして逃げるなどの離脱技のみとする。
つき技は基本生死を分かつ技だけど、距離とって逃げる、特につき棒や武器捨てて逃げるだけならば別の意味になる。
もちろん極めれば必殺技に昇華する。空手の後ろ蹴りとか。
前衛職には追加で手斧による薪割り訓練。
その後剣を持っての上段からの縦一文字切りを三回『できたら』終わり。こんだけ。
身体より長さがある大型武器もってチェストできるのは基本人間だけだ。
敵のスペックはやたらバカ力の子供と変わらない。
人類の叡智の敵ではないのだ。
あれ? 『ドラえもん』のジァイアンが敵だと思ったら無理になるぞ。
あいつ確か『竜の騎士』ではバットで電柱斬ってたもん。
確か身長150cmちょいで体重70キロだっけ?
ええい、人類史を幾度も救ったドラえもんの小学生どもやクレヨンしんちゃんの幼稚園児なんてイレギュラー入れたらおかしくなる。
なろうゴブリンどころかオークより強いわ!
とりあえず、剣を抜けさえできたら出鱈目に振り回すだけでも体格とリーチだけでだいたい拙作の餓鬼族やなろうゴブリン相手ならば人が勝つだろう。
たとえ敵にサル並みのパワーがあっても捕まらなければ勝てるのだ。なろうゴブリンなら腕力もあまりないだろ。楽勝!
しかし、長モノを振り回すまでナイフで戦うことになるのでナイフの手入れは一応講習することにしよう。実生活で役立つ。
そして鎧や荷物の洗浄と手入れ講習で日没を迎える。
あと馬に乗らなくても荷馬車くらいは扱ってほしい。
後々の実生活でも馬車護衛依頼でも役立つし、馬には親しんでほしい。
繰り返すが、なろうファンタジーでは描写ある方が珍しく、ゲーム世界なら勝手に直る魔剣設定などになっていたりするので地味に描写ないこと、すなわち装備の洗浄及び整備は現実に考えると面倒かつ難しい。
新人たちには頑張って覚えてほしい。
なんかいつも丁稚先の親方たちにどやされている内容の方がずっとまともかつ妥当なものと気づいて一日で丁稚に戻りたくなりそうだが。
……冒険者に向かないことに気づいてきた新人たち!
我慢しろ君たちの栄光はもうすぐだ。多分!
そして講習が終わり、夜は楽しく灯りを守って戦うキャンプ講習を訓練生同士で行うことになる。
終わったら楽器を取り出して軽い打ち上げ。
人間の脳みそを考えたらある程度楽しい時間は訓練にこそ必要である。
そして早朝は先輩方からの襲撃実技(※予告なし)でおはようございます。
誰もずっと楽しい方がいいと言ってない。
新人どもには何がなんでも生きて帰ってもらわないと困るのだ。
その後、立て篭もる餓鬼族を想定した襲撃訓練を先輩達に仕掛ける訓練(※指導教育責任者が新人側につくが助言のみ)。
暗視能力を持っている餓鬼族にとって、巣穴内で冒険者が灯を持った時点で勝ち確定である。
特撮なら毎週の処刑ソングが流れるレベルだ。
明かり奪ってあとは好き放題できる。
その現実を新人どもは思い知るであろう。
やっぱり冒険者辞めるんじゃないか。新人ども。
1日と言っておいて実は2日に及ぶ講習はこうして終わる。
また参加者には、上記実践したうえで至らぬところを全て自習を命じて一週間後に成果を問うことで巣穴に挑めるのかの本試験となる。
自習できない奴は死ぬ。しようとしない奴も死ぬ。
のんだくれのダメ人間な若者を多数面倒みている拙作『おっさん冒険者の脱英雄譚』のリンダのようなお人好しのギルド長ばかりではないのだ。
伊達にこの世界の冒険者は『冒険者になれば奴隷も貴族もない』わけではない。
こうして田舎から出てきたガキどもや都会育ちで少し魔法が使えるだけで調子こいていた連中は冒険者を諦める。
かくも若者の冒険者離れがマッハだが、死ぬよりマシだし、冒険者志望は後を絶たないので誰も困らない。
なんだったらシマの共働き夫婦の子供を預かって世話しているグローガン一家にでも頼めばいい。ヤクザだけどよそものにも善良で親切だし石工や人足として斡旋もしてくれる。
こうして二次試験に進んだ冒険者の卵たち。
試験内容は基本同じだが罠猟は自分で罠を仕掛ける必要があり、他の講習試験もかなり様子が変わる。
異世界からきただの、転生者だのと称する(※それが仮にも事実ならば聖騎士の『消滅』で一撃死する)露出の多いバカどもは巨大マダニに食われる羽目に陥る。
顔までしっかり布で覆え。
(※イノシシの獣道にはマダニがいるので避けることは母ゆっこさんの知恵)
以上の基本教育内容は当然現実世界の警備員新任教育制度とは全く違う。
そもそも冒険者は旅して街についたら即仕事をもらわなければならないときがある。
この辺の制度は現実世界の警備員と異なる。
しかし街にいる冒険者は基本教育が終わったら業務別教育。
年に一度の現任教育と業務別教育が定められておりその通りにしないと依頼を手配してもらえない。
その後都道府県公安委員会……じゃなかった町の軍隊認定害獣餓鬼族討伐の委託員として仮登録。
これらの事務処理はギルド側の仕事。
教育制度について述べる。
最初の討伐は各種依頼指導教育責任者一名をつけての業務別教育に移行。
指導教育責任者は教育訓練内容を報告し指導教育簿を書く。
この帳簿は最低一年の保管が義務づけられていて都道府県公安委員会……もとい軍隊からの定期監査を警備会社……もといギルドはパスしないといけない。
冒険者には年に一回同じ基本教育と実戦での業務別教育を行うことが法定で定められている。
ギルドランクアップで教育時間は免除される。
複数の事故事例を踏まえ、
施設警備、
空港……じゃなかった国境や馬車駅警備、
工事やお祭り時や露店出す時に馬車や馬を交差点で誘導する警備、
お祭り時の群衆対策警備、
市街戦、
港や国境や村の外敵からの警備及び出入り管理、
森での戦闘、
荷馬車護衛、
要人護衛、
特定魔法危険物及び魔法生物警備などの資格制度がある。
受注するときは2級以上の資格者を必要としパーティアライアンスを組む時は1級以上の資格者を必要とする。
(※ロー・アースやシーラ・カンスは一級相当かつ指導教育責任者各種あり)
資格試験により指導教育責任者の監督のもとでのみ教育資格も得る。兵士出身者は講習時間が免除される。
また各種業務一級資格試験合格冒険者(※ランクとは別の評価)は合同依頼時にアライアンスリーダーになれる。
技能講習試験に合格していない冒険者がほかの冒険者に教育を行う際には直近三年以内に一年以上の実務や討伐経験が必要かつ充分な人格及び技能を法定規則によって認め得る人員でなくばならない。
獣の解体やキノコや薬草などの採取など補助的な必須技能は法定教育にないがあった方が有利なのは言うまでもなく、チーアは呪いや鉱毒や魔法汚染や疫病に対しての指導教育能力があり、実際一度ならず派遣されているし国家レベルの災厄を何度も退けている。
地味にすげえなチーア。
そりゃ後々の世の中で慈愛神と同一視されて神様になるわ。
ギルドの受付嬢(※アキ・スカラーなど)をはじめとする指導教育責任者は別途に指導教育や帳簿管理責任者としての教育と資格試験が必要かつ一年ごとに講習が義務化されている。
地味に彼女は一度、貴族宅での依頼に参加しているが、ロー・アースは施設警備依頼一級合格検定に落ちたのだろうか。
実際この依頼はアキが折衝を任されている。
ギルドは都道府県公安委員会、もとい町の監査を定期的に受け、基準を満たしていない時は業務停止命令を受けたりする。
流れ者の冒険者は街中にいる冒険者が請けるにはリスクがありすぎて困る仕事を『勝手に』やっているのだがギルドも衛兵も黙認する。
まあ現実世界でもどっかの市長の奥さんに盗癖があったりしたらお店レベルでは捕まえるのとか出来なかったりするから、そういう時はよそもののマスコミが『何故か』嗅ぎつけたりするよね。
こうして考えてみた結果、冒険者になる前に家に帰す制度になってしまった。
まあ、その方がなろうゴブリンにとっても冒険者志望の若者にとっても平和である。
そして、こうやって長々と書いたものの、知識や技能をあれこれ出すより『うんこー』とか言って他人と争わないアカウントの方が筆者は知性を感じるし、そもそも書籍『空想科学読本』じゃあるまいし、まじめに考察とかするのは無粋な上、筆者の小説がポイント制の『小説家になろう』において全然面白くない評価であることを考えれば、全くの無駄であると言わざるを得ない。
ハリウッド映画なら大真面目な論考があるのだろうが、大喜利でお約束を展開する落語や講談に近いなろう小説にまじめに論考する方が無粋だと思いつつも、やってみると楽しいという個人的感情は抑えられなかった愚行を示すべく筆を置こう。
金融面や保険面、福利厚生面では短編集にある『冒険者信託銀行(冒険者ギルド)』参照。