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序章
とあるブラック企業に務めるごくごく平凡な1人の男性がいた
「○○君、これお願いね」
「○○君、これもお願いするよ」
「○○君、ついでにこれもやっといて」
「○○!これとこれとよろしく」
彼は皆から頼られ…いや、違うな
仕事を押し付けられている
でもこれには理由がある
「○○君、昨日お願いした資料は出来ているか?」
「○○君、例の件はどうなった?」
「○○君、こっちはもう終わってる?」
○○「はい!全て終わってます!」
そう言う彼のデスクには山積みの紙とファイル
それと、モニター4台とキーボード・マウスが2台ずつ
そう、彼は右手と左手、右目と左目を器用に使いながら複数の物事を同時進行できるという得意技があるのだ
ただ、彼も人間だ
疲労は着々と蓄積されていく
そして、冒頭でも言った通りここはブラック企業だ
疲労は解消されることなく日々は過ぎ…
―――――彼は死んだ―――――