探検
お盆のおばあちゃん家は蝉の音に包まれていた。
音源の裏山は大きくこちらを見下ろすように佇み、カンカンと照った太陽の光を深い緑色で返していた。
着いた実家でひと段落している両親を尻目に私はおばあちゃん家を探索していた。
元々お金持ちの百姓だっただけあって、おばあちゃん家は大きな平屋だった。
広い座敷や長い廊下はどこまでも続くようだった。
そんな昼の日差しが庭から差し込む廊下に真っ赤な襖があった。
そこで私は何とも形容しがたいおぞましさに、やっとなのか、もうなのか、どちらにせよ今気づいた。