表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/5

第4.5話 リズとお嬢様

リズがいきなりリリアのことをおねえちゃんと呼んでいることに違和感を感じたので補足説明的な話を。

「リズちゃんはどうして私のことをおねえちゃんって呼んでいるの?」

「んーとなんでだっけ?」


リズちゃんはゆらゆらと左右に揺れながら考えている。思考や判断力は大人っぽいかわりに、仕草や言葉遣いは見た目よりも幼かった。


「お父さんが初めにおねえちゃんって言って話してくれたんだと思うよー」

「リズちゃんのお父さんが?」

「そうそう。リズのお母さんはリズが2歳の時に死んじゃったんだけどね、マリーお姉ちゃんもお父さんも忙しくてリズひとりじゃ寂しいだろうからって、もう1人のおねえちゃんみたいなリリアっていう凄い子がいるんだよって話をしてくれたんだ。いつか会えるよって話してくれたけど本当に会えて嬉しいよ!」


ローレンヌ家はとても従順だったが、そこまで私にも慕ってくれていたのだと考えると嬉しかったし、一変して私を殺そうとした1家が恐ろしくもなった。


「リズは寂しい時はおねえちゃんのこと考えて過ごしてたんだ。おねえちゃんの凄い話を聞くとリズもわくわくして楽しくなったんだけど、本物はもっと凄かったよ!」

「私、リズちゃんのもう1人のお姉ちゃんになれるように頑張るわ!」


リズちゃんは私にぎゅっと抱きつく。幼いながらも、力いっぱいに抱きしめているのがわかった。


「もう一緒に住んでるんだからおねえちゃんだよ。マリーお姉ちゃんも大好きだけど、リリアおねえちゃんも大好き。リズ、おねえちゃんの為にいっぱい頑張るね!」

「ありがとう、リズちゃん。リズちゃんもとっても勇気があって優しくて凄い子よ。もっと大きくなったら、きっと私よりももっと立派な人になっているわ」


リズちゃんは嬉しそうに私を見上げて笑う。初めに店に来た頃には絶対に見られなかった無邪気な笑顔だ。


「うん。そうなるように頑張るから、応援しててね、おねえちゃん」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ