1000年後にタイムスリップ?!?!
「どこだ?!?!ここ!!」
まてよ、たしか学校から友達と帰って…その後の記憶がねえ!
俺は浅田りんご、極めて平凡な高校生である。
ーーが、いつのまにか俺は今でっかい城の前に立ち尽くしている。
「何がどうなっているのかさっぱりわからねえし…寒い!!!」
どうなってんだ??!日本は今春のはずだろ?真冬並みの寒さじゃねえか
「このままじゃ凍死するっだれか!!」
城の玄関をガチャガチャ動かす。
玄関が開かねえだと?!?!他の窓から中に入るか。
「おっ!!!!」
ちょうど中庭のようなところで椅子に腰掛けて座っている人がみえた。
「すいまっせーん!!この家の人ですかぁ?!?!」
「ーーって、え」
輝く銀髪に深く澄んだ碧眼、きらびやかな美しい青色の軍服を身を纏った男がゆっくりと椅子から立ち上がる。
「ふぁ~♪、もう見回りの時間か?」
うーん、と腕を伸ばす。
りんご驚きすぎて声が出ない。
「ん?お前誰だ?」男がこちらに気づき目を丸くする。
りんご固まっている。
「困ったな、俺も驚いてるんだがな♪ーーまあいいや
俺の名前はシリウス・アペアース。お前は?」
さらに固まったな。なんかまずいこと言ったか?
やれやれとシリウス。
ようやくりんごが口を開く。
「ま…マイネームいずアップル!アップル…アップ…ーーあれ?!?!浅田って英語でなんていうんだっけ?!?!ーーくそうっこんなことならアメミヤ先生の授業ちゃんと聞いとくんだったぜ!!」
「…アメミヤ?」そうきたか、やべえのがきたな。
「あー、なんか勘違いしてるみたいだが、日本語通じるぜ?さっきも俺日本語だっただろ?」
「はったしかにっ!!なんだー、早く言ってくれよ!さっきまでずっとアメミヤせんせに反省会してたんだぞ?!」
バシバシとフレンドリーにシリウスの肩を叩く。
「そ、そうか、わりーな」
さっき初対面のやつにここまで馴れ馴れしくできるとはある意味天才だな♪つかなんで俺謝ってんだ?
「俺の名前は浅田りんご!!よく女の子に間違われる17歳だっ!!よろしくな!!」
はっはっは、とバシバシ叩く。
「…そうなのな♪」シリウス笑いが引きつる。
突然の自己紹介。ーーまだ名前しか聞いてないんだがな
「ていうか!!なんなんだよここは?!?!」
情緒不安定かよ?
さっきまで楽しく自己紹介してたと思ったらいきなり真っ青になるりんごに呆れて声が出ない。
「なんかここすっげえ寒いし!あんたのようなファンタジー漫画にでも出てきそうなやつに会うし!!もしかして異世界転生か?!?!」
「わかったわかった♪説明してやるからカバン見せてみな」
呆れ気味にりんごに手を伸ばす。
「カバン?」
「ああ、手がかりがあるはずだからな」
「変態か?今度は変態なのか?」
「ちげーっつの。説明するより見たほうがはやいさ」
カバンを受け取りなにかを探す。
「あったあった♪ーーほらっーーーーーーってぇ?!?!?!」
ーーそこには0と大きく書かれているテストの答案用紙だった。
りんごも最初は真剣な眼差しだったが、5秒くらいでそれが何かを理解する。
「どわああああああっっ?!?!かえせよおおっっ俺んだぞ!!変態っっ、人のもの勝手に見てんじゃねえよ!!」
暴れる牛の如くシリウスから答案用紙を奪い取ろうとする。
「ちょおっ?!ーーー落ち着けって!」
慌てて奪われないようにりんごを抑える。
「なんなんだよ!あんた?!俺の恥でも晒しあげたいのか?!?!そうなのか?!?!」
「や!ちがっ」
必死にりんごを振り解く。「俺がみたいのは点じゃなくて!ーー日付だよ!!」
「日付ぇ??!」ピタッと止まる。
ようやく落ち着いたか。
「そうさ♪」ふぅー、と居住まいを正して城の真ん中にかかっている大時計を指差す
「なんてかいてある?」平静を取り戻しシリウスがニヤリと笑う。
「え?と、30xx年の…ーーーて、はぁあ?!30xx年?!?!」
驚きすぎて声が裏返る。
「どゆことだよ?!?!今はっっ」りんご、慌てて答案用紙の日付に目をやる。
「そうだな♪ここにある日付には20xx年とある。」
答案用紙の日付を指差す。
そして、改めてりんごに向かい直るシリウス。
「つまりお前は30xx年ーーーちょうど1000年後にタイムスリップしたことになる」
りんごが目を丸くしているのをみてシリウスが意地悪く笑いかける。
「ようこそ♪1000年後へ、ご先祖様♪」