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プロローグ
この世界では人は生まれながらに「スキル」という不思議な力を持つ。
スキルは通常一人一つだけ持っており、その能力は様々である。
正しく使えば生活を豊かにするスキルも、使い方を誤れば強悪な力となり、世界は魔王を名乗る一人の男によって支配されていた。
「ムカつく奴はぶん殴る!」と、魔王は罪のない人々を理不尽に殺した。
魔王は決して死ぬことのない「不死」のスキルを持ち、永遠に近い時間の中でありとあらゆる戦闘術をマスターしており、誰も彼を倒すことなどできないと思われていた。
そんな中、人類に希望が生まれた。
「タワダ」
相手のスキルを奪い、自分のものにする強力なスキル「略奪」に加え、冷静な判断力、鍛え上げられた屈強な体、類まれなる戦闘センスを持つ男。
彼は激戦の末魔王から不死のスキルを奪うことに成功し、世界に平和をもたらした。
人々は彼を英雄と称え、少年たちは彼に憧れた。