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3 女装アイドル出待ちされる

ストーカー予備軍なのかな?


翌日、なんだか学校に行くのが少しだけだるいと思いつつ僕は家のドアをあけてからーーー閉めた。


気のせいだろうか。ここにはいないはずの美少女が外でニコニコしながら立っていたような気がする。しかもその美少女は昨日僕に告白してきた人にそっくりだったような気がする。


思い切ってもう一度、今度はそっと開けるとーーーその隙間から笑顔でこちらを見る美少女がいた。


「おはようハルるん」

「おはようございます先輩。あの・・・なんでここに?」


そう聞くと先輩は笑顔を崩すことなく言った。


「ハルるんと一緒に登校しようと思って待ってたの」

「はぁ・・・ちなみにいつからそこで待ってたんですか?」

「ハルるんが出てくる2時間前からだよ」


現在時刻は7時30分。ということは5時30くらいから待ってたのだろうか。


「それはその・・・すみませんでした」

「いいよ、ハルるんと一緒にいたかったからね」

「あの、ところで人前では出来れば呼び方は変えて欲しいのですが。これでも隠してるので」

「ごめんごめん、瑠美くん」


なんというか、イメージと違う人みたいで驚くが、ふと昨日叔母さんから言われたことを思い出して聞いていた。


「あの・・・先輩は前に僕のファンって言ってましたけど、もしかして百合園さんなんですか?」

「うーん、それは半分当たりで半分ハズレかな」

「と、言うと?」

「ファンレターとか贈り物とかは確かに私なんだけど、握手会とかはほとんど妹が行ってたからね」


つまり二人で百合園さんということだろうか?


「ま、たまに私も握手会とかには行ってたけど接触系のイベントは基本的には避けてたからね」

「そうなんですか?」

「だって、あまりの可愛さに押し倒して警察沙汰になりそうで怖いんだもん」


さらりと言われたがということは今も僕は狙われているのだろうかと身構えてしまうが、先輩はそれに笑って言った。


「心配しなくても今は何もしないよ。最初くらいはういういしい反応を楽しみたいしね」

「はぁ・・・そうなんですか」

「それにしても、男装は男装で素敵だね」

「いや、だから僕は基本的に男ですから」

「わかってる。男の娘だよね」


なんだかニュアンスが違う気がするがこれ以上ここで時間をくうわけにもいかないのでスルーすることにした。


まさかこうして家から女の子と登校することになるとは思わなかったのでかなり複雑な気分だけど、隣で楽しそうに笑っている先輩を見てると不思議とどうでもよくなってきてしまっていたのだった。




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