表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

1 女装アイドル告白される

思いつき。需要があるのかわからないので不定期になりがちかも。反響があれば頑張りますm(__)m





昔から母親譲りの女顔だった。名前も春風瑠美(はるかぜるみ)という名前で、女の子みたいだと皆から馬鹿にされるけど構わなかった。


僕は親から貰った名前を誇りに思うし、この容姿も母親に似たことが嬉しかった。今は亡きお母さんの想いがつまっているからだ。


お母さんが死んだのは僕が7才の頃。借金の返済のために無理をして働いていたお母さんは過労によりあっさりとあの世にいってしまった。お母さんを失った悲しみにくれる暇もなく、残った借金とこれからの身の振り方に迷ってた僕に手を差し伸べてくれたのは叔母さんだった。


叔母さんはとある芸能事務所の社長で、ある条件で僕は借金と僕が成人するまでの面倒を見てもらうことになった。


それは、僕が女装アイドルとして芸能界で活躍すること。売れても売れなくてもそれが条件だった。もともと美人なお母さんに似た僕は子役からはじまり、いつの間にかそこそこ有名な女装アイドルになっていた。


教師には黙っていてもらい、学校の皆には内緒でやっていた。そう、内緒にしてたはずなのに・・・


「ねえ、春風瑠美くん。いや、女装アイドルの『ハルるん』と呼んだ方がいいかな?」


そう手元の女装写真をペラペラとみせてくるのは夕陽ヶ丘高校、僕の通う高校の2年生にして生徒会長を任されたエリート美少女の名雲薫(なぐもかおる)先輩だ。


「あの、なんのことですか?」

「とぼけても無駄だよ。私が何年『ハルるん』のファンやってると思っているの」

「何故それが僕だと?」

「男装してても見る人がみれば『ハルるん』だってわかるよ」


男装ではなく普通に男なのですが。そんなツッコミをしたいが認めることになるので言えなかった。そんな僕に構わずに先輩は言った。


「安心してよ。このことは誰にも言ってないから」

「・・・何が目的なんですか?」

「目的?」


お金とかなら無理なので少しだけ身構えていると、先輩は笑って言った。


「大丈夫だよ。私は君のファンだからね。君が内密にしたいならこのことは黙ってるよ。ただひとつだけお願いがあるけどね」

「お願い?」

「うん、私と付き合ってよ」

「・・・はい?」


あまりの唐突な内容に目を白黒させていると、先輩は言った。


「私ね、女の子が大好きなんだ。レズと言ってもいいくらいに」

「あの・・・そんなことカミングアウトされても」

「だからね、私昔から女の子みたいな男の子がいたらいいなって思ってたんだ。そしたら出会ったんだ『ハルるん』にね」

「はぁ・・・」

「だからね、私決めたんだ。どんな手段を用いても『ハルるん』を手に入れようってね」


そう言ってから先輩は僕に壁ドンをしてから真剣な口調で言った。


「だからね、『ハルるん』いや、瑠美くん。私と付き合ってよ」


その言葉に僕は混乱してから、思わず勢いに流されて頷いてしまった。産まれてはじめての女の子からの告白に嬉しくなったことは否定できないけど、ここから先輩と僕の関係が深くなっていくことにこの時の僕はまったく知らなかったのだった。














評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ