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我が部室へようこそ!  作者: タコヤリイカ
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【2話・「ヲタトークは情報の殴り合い」】

【2話・「ヲタトークは情報の殴り合い」】


「というわけで、新メンバーの登場だ!」


「僕はまだ入部するとは…」


むしろ僕は入部しないと固く決意しているのだ。


「おーこの子が入部希望者かー」


「そいつは鈴木、マシンオタクだ。よろしくな。」


僕が自己紹介するより早く岩尾は言った。

勝手に言うな思ったが、それより僕は部員が気になった。


「あ、僕は鈴木ヨシアキって言います…」


「ヨシアキくんか…私は中原アカネ、よろしくね」


人と関わらない学校生活を心がけていたためか、

うちの学校にこんな美少女いたか?と思った。


「あの…」


とりあえず声を発してはいたが、

続く言葉は特に思いつかなかった。


「?」


ああまただ。

おそらくまた僕は気持ち悪がられただろう。

どうしてここに来てしまったんだろう。


「こいつもお前と同じオタクなんだからそんなに緊張しなくていいぞ」


そんな事を言われても僕は人と話せない。

人と最低限の意思疎通をするくらいがやっとなのだ。

いわゆる話さないではなく、話せないタイプの人間なのだ。


それを知ってか知らずかこう言われると何だかムッとする。


「あ…」


「まぁ立ちっぱなしなのもアレだしとりあえず部室に入ろうぜ」


促されるまま僕は部屋に入った。




「あ…あのこの部活って何をする部なんですか?」


「あぁ?座談部だよここ」


「その座談部って…」


話を遮り彼女が話した


「要は何もしない部活。アニメ見たりゲームやったりするんだってさ。」


「いや、政治や世界平和について語り合う崇高な…」


「私達そんなことしてたっけ?」


(なんかこの人たち仲いいな…)


「あの、ここの部活って二人だけなんですか?」


僕は居たたまれなくなってつい質問してしまった。


「今日は来てないけどもう一人いるぞ。」


「あぁ…」


間が持たない。

人見知りなのもあるけどただただつらい…


「そうだ。お前好きなアニメとかあるか?」


よくやく話せそうな話題が出てきた。


「屍少女まじかる☆デスってやつを見てます」


「お、食い付いてきたねぇ」


僕は少し岩尾のしたり顔にムカついた。


「まじ☆デス?あれ私も好きだよー。」


アカネちゃんが意外にも反応してくれて嬉しかった。


「ホントですか?」


「本当も本当、コミックスの時から読んでたよ」


「好きなキャラ誰ですか?」


「私は鎖少女ベルモンドかなー」


すごい。

ここまで好みが合うとは思わなかった。


「僕もベルモンド好きです!後マイナーどころだと序盤でやられた魔王軍のシュヴァインとか」


「あーそんなのいたね」


「あれ変身が解けるとただの豚なんですよね」


「おーい鈴木ィ!随分元気になったなー!」


言われて気づき少し恥ずかしくなる。


「あ…」


「いいんだよ、アニメも詳しいってなるとますますいい部員じゃないか」


笑いながら言った。




「そういえば先輩ってどんなアニメ見てるんですか?」


「俺はどちらかというとゲームだな。でもアニメも見るぞ」 


「へぇ〜」


「そうだな、最近だと自由の丘でって奴を見てるな」


「面白いんですか?」


「よく聞いてくれた!!」


今考えたらそのときに地雷を踏んだのかもしれない。



「という作品なんだ」


「」


僕は想像以上の凄い長い時間「自由の丘で」の布教を受けた。

途中で見たいと思ってしまったのは不覚だった。

それと同時にコイツはやべえ奴だと思った。


「お疲れ様ー」



「これで本日の部活は終了だ。」


結局体験入部を楽しんでしまった。


「鈴木、今日の体験入部どうだった?」


「正直楽しかったです…」


「よかった。気が向いたらでいいから入部してくれよ?」


「考えときます」


僕は少しこの部に入りたくなっていた。


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