【1話・「部活」】
【1話・「部活」】
「我が部室へようこそ!」
―そう僕は言われてここに連れられてきた。
何故か今日僕は上級生の岩尾ヒロキさんに連れられていた。
「あ、あの、どうして僕なんですか…?」
「お前機械とか得意だろ?」
僕が機械が得意というのは本当だ。
しかし専門的な知識があるかというとまた別問題だ。
おそらく今求められているのは荒波を立てないこと。
「えぇまあ…」
とりあえず答えた。
「ならオタ部やるならちょうどいいな」
「ちょ、ちょっと待ってください、僕オタクに見えますか?」
「お、違ったか?」
「違いませんけど…。」
「じゃあ大歓迎だ」
そういうと彼はある空き教室に入った。
「あ、ここここ」
「ここは?」
薄暗い教室だった。
教室というよりは倉庫と行ったほうが正解な雰囲気だった。
「我が部の部室。」
いろいろツッコミが脳内で浮かんだ。
まずこんなところで部活なんてできるわけがない。
しかもここを部室にしたら不正占拠じゃないか?
掃除は一体どうするんだ?
「…。」
「さあ活動するか。」
「あ、あの…何部かすら分かってないんですが…。」
当然だ。
今連れてこられただけだから。
「座談部だ。」
「は?」
「座談部。」
「はぁ…」
困惑し、僕は反射的に言った。
「というわけで今日からお前は座談部の部員だ!」
「まだ僕は入部したわけじゃ…」
「我が部室へようこそ!」
彼は聞いてないようだった。
【つづく】