謎解きは放課後に
ここは、草木高校科学部標本係である。
標本係には、1人の女子と男子がいた。
唯一、科学部には、女子一人しか入部していないのが現状だ。
昔は、この高校は、男子高だった為女子が少ない。
「今日は、何やるの?」と欠伸をしながら聞く女子がいた。名前は野薔薇 亜璃朱。
「今日は?ではないでしょ?今日も蝶の標本作り。来週の月曜日までに終わらせるのだから。」と眼鏡の鼻あてをあげて答える秋川大雅。
「果たしてこれ、してるより実験やった方が楽しかったな。」
「そうだな。俺らは、もう、実験とは関係ない。
地下室で黙々と標本作りしているしかないだろう。」
「そうだな。なんか「待って、殺人事件おきるわけ無いだろ?」
と大雅。
「殺人事件あれば、私達、標本部がとっとと事件解くのによ。」むっとした顔で亜璃朱が言った。
「まぁまぁ、待てよ。」
と慌てて、止める大雅。
「お疲れ様。」と標本室のドアから入ってくる。
「なんだ、遼河か。」
この男子は、田辺遼河という。コンビニのレジ袋を下げながら、標本室にのそのそと入る。
基本、標本係は二人で活動をしているが、人手が足りないときは遼河も標本作りの手伝いを行う。
遼河は、裏では学校通の情報屋を担っている。
「おう、標本作りお疲れさん。」
「嗚呼。レジ袋の中に何が入ってるの?」と亜璃朱が言う。
「嗚呼。勿論。
シュークリーム3つと情報さ。」と遼河言う。
「遼河は、なんの情報を持ってきたのさ?」と聞く大雅。
「殺人事件。」標本室は静まりかえる。
「待って?
本当に殺人事件があったの?」と亜璃朱。
「嗚呼。さぁて、話せば長くなるよ。」と手を叩く遼河。
「その話しは、シュークリームを食べてからにしない?」と大雅。
その殺人事件は一体何なんだろう。
続く