おまけ「旧あらすじ」
完全におまけなので飛ばして次のお話に進んでいただいて構いません。
ある日突然、何かに轢かれた訳でもなく、オンラインゲームをしていた訳でもなく、不思議な光に包まれるわけでもなく無理やり連れてこられた少女は、神々の暇つぶし、悠久の時を生きる者たちのための駒のはずだった。
召喚主の女神は、あまり興味はなく駒を適当に選んだ。優秀なスポーツ選手でもなく、狡猾な傭兵でもなく、孤高の暗殺者でもなく、唯の不幸な高校生の少女を。
そこは閉じた世界、彼らの世界にも彼らの世界の被造物にも配慮しない暇つぶしの戦場。
ただし、女神は気づかなかった。
彼女が一滴の毒であることを。
少女の目の前の円卓に座る彼女たちは言う。
「形のない僕たちに守る力を与えてくれたことは感謝するよ」
「それでも、女神には私たちをこんな世界に叩き込んだ恨みがある」
「私は、ただ私が幸せに暮らす、それを夢見ただけ。それっていけないことなの?」
「こんな世界では私は癒されない求められない。誰も癒してあげられない」
「くだらない遊びのために私は死ぬの?ここで亡霊となって永遠にさまようの?」
「それとも一瞬の火花のごとく消えるのか?無様に穴だらけの屍をさらして」
「認めないわよ、最低の結末は認めない。他の誰の屍を重ねたとしても生き抜いて見せる」
「私たちが感じる痛みは彼らの痛み」
「・・・・・・さあ、滅びを始めましょう」
ninelifes
その英雄は一人にして一人にあらず。