50歩目「赤?VSドラゴンゾンビ」
風邪でダウンしておりました。
今日からまた投稿再開です。
「おっけい! 前衛は僕に任せて!」
意気揚々と木乃美が赤に変わり突撃をしていく。
一見すると無防備に、それこそ一番手負いのドラゴンゾンビへ突撃をかましていく傭兵たちと何ら変わらないように見えるが、そうではない。
一つ彼女は全く油断をしていないという点、その証拠に走りながらもその盾はしっかりと構えられている。
どんな方向から攻撃されてもいいような万全の構えだ。
もう一つの意味は陽動だ。
いかに魔王と呼ばれていようとも肉体は唯の十歳の子供とそう変わらないマルスに、万が一にでもドラゴンゾンビの攻撃が飛ぼうものならば結果は火を見るよりも明らかだ。
ならばより目立つように突撃するしかない。
「かくごぉぉー!!!!」
派手に雄たけび、いや雌たけびを上げて突進してくる赤の姿を
『愚かの者』
ととらえたのか、ドラゴンゾンビの口角が若干上がったような気がした。
「笑った……動く死体に意志があるっていうのか?」
竜騎兵として経験の長いラドリオは竜にも表情があることを知っている。
あの顔は呆れや侮りといった表情だった気がしたのだ。
ラドリオの推測が確信に変わるよりも早く、お互いの距離がドラゴンの腕の届く距離に達する。
ドラゴンゾンビが手負いとは思えない勢いで腕を振り下ろした。
鈍い打撃音と摩擦音をさせながら赤が横へと体三つ分押し飛ばされた。
「うひゃ……おっもいなぁ!」
そのまま相手の動体へと詰め寄り赤が盾の一撃を叩きつける。
そしてその衝撃を利用してドラゴンの間合いから離れる様に跳躍した。
「……そしてかったい……洞窟の壁を殴っているみたい」
両肩をほぐす様に回し再び構える赤をドラゴンゾンビは脅威と見たのだろう。
淀んだ瞳が赤をしっかりととらえている。
「おりゃあああ!」
再び突撃する赤を今度は横殴りの攻撃が襲う。
余裕を持って跳躍し飛び越えようとした赤に頭上から、それを読んでいた可の様に尻尾が叩きつけられた。
「ぐっこんおお!」
どうにか盾で受け止めた形になった赤にさらに畳みかける様に尻尾の連打が襲う。
基本的には振り下ろしなのだが避けようとすると斜めから飛んで来たり空中で軌道を変えたりと赤が脱出するのを拒むように、何度も何度も尻尾が振り下ろされる。
勝利を確信したのか、更に連打の動きを速めたドラゴンゾンビの耳が小さな呟きを捕らえた。
「元気なのは結構だが……よそ見が過ぎる」
ラドリオと共にドラゴンの懐までたどり着いたマルスが、金槌をドラゴンゾンビへと振り下ろした。
いつもお読みいただきありがとうございます。
これで借金は六日になってしまいましたね。




