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ナインライフス~不幸な少女と最弱魔王~  作者: 狐狗猫
第四章「アンデット戦争」編
260/327

40歩目「行軍は続く」

完全に説明回

・・・


 二日目の行軍が開始された。

 相変わらずの寒い、視界が白い、雪道で歩きづらいの三重苦である。

 幸い、朝の摸擬戦の件があってから周囲の目は昨日程悪いくはない。

 部隊内の雰囲気も良くなったようで、

「足元気を付けてね二人とも」

「はい……ありがとうございます」

「ございますなんていいよ、ね?」

 女性陣も昨日のような蟠りはないようで、軽く会話をしながら進んでいる。

 問題なのは悪くはないだけで周囲の目があることだろう。

「……じろじろ見やがって」

「気にするな……気にして妙な行動をとると難癖をつけられるぜ?」

「知っているような言い草だな」

「こう見えても軍属経験があるもんでね」

 ラドリオの軽口にマルスはため息をつく。

 周囲の目、朝の決闘を見てから、

「俺も手合わせを願いたい」

 というような好意的な視線から、

「昨日見た少女とは別の存在になっていた。あの女(木乃美)は何者だ?」

 というこちらを探る視線まで。

 厄介なことに後者の視線の中には、後方の上官たちの視線も混ざっている。

 評価をする連中に目を付けられているのは良いことなのか悪い事なのか。

「なるようにしかならないな……寒いし歩きづらいに状況は最悪だけどな」


 軍隊の足と言うのは遅い。

 整列して点呼を取り、陣をを引き払って行軍を開始する。

 これだけで日は随分と高くなってしまう。

 それで数アワ(時間)も経たないうちに昼食の時間だ。

 この数アワも普通の人が歩くようには進めない。

 全員で足並みをそろえなければならないため、正確には背後の輸送部隊に速度を合わせなければならないために普通に歩く距離の半分だろうか?

 さらに雪道であるためにその移動距離は半分程度になる。

 午前中に進めた距離は、平地で馬が30分程度で進める距離だ。

 その後全員で足を止めて昼食、と言っても水とパンや行軍食(固形ブロックのようなもの)で一アワ程度の休憩をとる。

 ここから午後の行軍、進める時間は精々三アワ程度、日が沈み切る前に陣地を設営するべく足を止めないといけない。

 これが『順調に』行軍が進んだ場合の一日の日程だ。


 当然、昨日のような待ち伏せや襲撃があれば移動距離はさらに落ち込む。

「あと最短でも十日はこのままなんだろ?」

「襲撃もなく、敵の待ち伏せもなく、さらに敵の抵抗もなければ首都まではそれくらいだな」

「……ない訳がないだろうが」

「そのために輸送部隊は三週間分の水と食料を積んでいるって訳だよマルスの坊や」

 これから先の日程を思い、マルスは大きくため息をついた。

 いつもお読みいただきありがとうございます。

 あくまで行軍の一例です。

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