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ナインライフス~不幸な少女と最弱魔王~  作者: 狐狗猫
第四章「アンデット戦争」編
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26歩目「ジャイアントキリング」

 目の前にキンググリズリーゾンビが迫る。

 馬の全力と同じくらいのスピードで数メートルを超える巨体が迫ってくる様は、壁が高速で迫ってくるようにも感じる。


 対して俺は自分の背丈ほどの大剣を頭上へと振り上げた。

 俺の剣は特注ではあるが、業物ではない。

 帝国製の合金で作られているこれは、大剣のある一点のみに重点を置いて作られている。


 頑丈さだ。


 切れ味や取り回しやすさ、バランスや重量などはすべて無視をして唯々頑丈さだけを考えられたこの剣は、はっきり言って重くて頑丈な板で斬るなどと言う芸当は出来ない。

 それならば棍棒やメイスやフレイルなどの鈍器の方がいいのではないか? と言う奴がいるがその通りだな。

 ただ剣の形をしていた方が俺が使い易いというだけだ。


 キンググリズリーゾンビはいよいよ眼前に迫る、それに対して俺は片手で振り上げていた剣を両手でしっかりと持って、相手の顔面へと叩きつけた。


 本来ならばそんなことをしたところで無意味だ。

 敵を怯ませることは愚か、勢いを殺すことすらできず俺が弾き飛ばされて終わりだろう。


 だが結果は違う。

 剣と相手が衝突し凄まじい衝撃に両腕が、全身がしびれる。

 そのまま受けると全身が壊れてしまうから適度に受け流す。

 雪の上をすべる様に俺の体が後退し、反対にキンググリズリーゾンビの体は勢いよく俺の反対側に吹き飛んで行った。


 相当な勢いで吹き飛ばされたのか、相手の体は水きりのように雪の上で何度もバウンドし、後方から走ってきていた普通の動く死体(ゾンビ)の群れを巻き込んでようやく停止したようだ。


 これが俺の能力巨大生物殺し(ジャイアントキラー)だ。

 竜の国が『打倒者』の称号をくれたのも、この能力のおかげだ。

 

 能力の詳細は簡単、俺の攻撃に相手の質量や速度が加算される。

 相手が重く早く勢いがあるほど、俺の攻撃は重くなっていくのだ。

 先ほどのように重量のある物体が飛んできても先ほどのように叩き返すことができる。

 制約も多いけどな。


 まず相手が生物であること、これは不死者(アンデット)も含まれるらしい。

 無生物である機械には効かないことは確認しているから、生物あるいは元生き物ならば効果が発揮されるらしい。

 二つ目は相手が俺よりも巨大で重い事。

 どちらかが満たされていないと俺の能力は発動しない。

 三つ目は近距離攻撃にしかこの攻撃は乗らないことだ。

 もし弓とか遠距離攻撃にこの効果が乗ったら、俺の等級も一段階上がったことだろう。 


 他の連中を見てみると、どうにか突進の衝撃をいなしてキンググリズリーゾンビを足止めしているのが二組、分隊ごと吹き飛ばされて酷い状況になっているのが三組ほどだ。

 このままだと動く死体(ゾンビ)が到達する前に戦線が崩壊する。


「……クルナ」


 助けに行こうとした俺は、隣から聞こえた背筋を凍らせるようなトーンの声に思わず振り返った。

いつもお読みいただきありがとうございます。

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