8歩目「アルトの仲間」
・・・
やっとのことで馬車までたどり着くと、横にもう一台馬車が止まっている。
「なあ、ラドリオ。少し妙じゃないか?」
「そうかもなぁ」
ラドリオが馬車を止めるために選んだ場所は、街から少し離れた不便な場所にある。
これは絡まれたり厄介事に巻き込まれない様にというラドリオの基点によるもので、少し進めばもっと利便性のいい場所があるので大抵の馬車、というよりラドリオ達以外の馬車はそちらにとまっていたはずなのだが、今は横にもう一台馬車が止まっている。
正確には馬車なのだろうか?
車を引いているのはマルスが見たこともない生き物だ。
顔は馬と言うよりも鳥やトカゲに近く、ジェニファーよりも一回りは大きい、さらに全身の各部にうろこがあるようだし足の蹄も鋭くとがっている。
竜と馬を足して半分に割ったらこんな生き物ができるのではないか? と言うのがマルスの感想だ。
「おお、フォルテにピア、どうしてここに?」
「アルトこそ、なんでこっちに来ているの?」
どうやら彼らはアルトの連れらしい。
馬車の御者台に座っていた気のつよそうな女性と中から顔を出した僧侶風の少女が驚いた表情でこちらを見ている。
「俺は彼らを送ってきたんだ、街の中で酔っぱらいに絡まれていたからな」
「私たちはほら、この子のせいで周りの人や馬が怖がっちゃって。特に馬が深刻でパニックになりそうになったから避難してきたの。こっちにも馬車がいて大人しそうな馬がいたから不味いかなと思ったけど、大丈夫みたい」
「ジェニファーはこう見えてガッツがあるからな、それくらいじゃビビらないさ」
「へえ、ドラゴンホースを見てもビビらない馬なんて珍しいわね」
ラドリオがジェニファーを撫でると二人も興味津々と言った表情で、正確にはドラゴンホースとやらも見つめている。
ドラゴンホースとやらが何を食べるのかは知らないがこんな生き物が近くに居たら普通の馬は怖がるだろう。
木乃美も若干腰が引けているし、マルスも内心少し怖い。
この様子では彼らもここに居座るようだ。
ならばさっさと自己紹介なり、交流なりして馬車に引きこもった方が良さそうだ。
「アルトさん、こちらの二人は?」
「ああ、俺の旅の仲間だ。御者台に座っているのがフォルテ『打倒者』だ。奥にいるちっこいのがピアで『竜を癒す者』だな」
「ご同輩とは珍しいわね、フォルテよ」
「ピアです、よろしくお願いします」
こちらを、恐らくこちらの腕輪を見ながらフォルテがにこりと笑い、ピアも小さく頭を下げた。
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二つ目です。




