一歩目「ウェイトモニカの伝説」
先日は気づいたら寝ていました。
今日は二連続投稿です。
『Side ラドリオ』
マルスが極度の甘えん坊のような状態になってしまう数日前、聖都から追手がかかることもなく順調に西へと旅を続けていた三人は『ウェイトモニカ』と呼ばれる街に到着していた。
帝国の前の国の東端の大きな街で昔から多くの商人が行き来する通商の要と言うべき街だ。
今の大きくなった帝国では帝国中の物がこの街に集まりまた帝国中へそして外国へと流れていく物流が生まれている。
「帝都に入れないだ? 一体どういうことなんだ?」
「やっぱり兄ちゃんも驚いたか」
数日ぶりの街、疲れた体にお酒と言う名の栄養剤を投入するため、情報収集という名目で酒場に乗り出したラドリオ、さっそく情報通っらしい親父を捕まえて一杯奢り話を聞いていたのだが、飛び出してきた情報は
「現在帝都に入場制限がかかっている」
という話だった。
「確かな情報なのかい?」
「確かも確か、なんせ俺が実際に追い返された口だからな」
この親父、見た目に反して優秀な商人らしいのだが、先日帝都に商いに行った際門前で追い返されてしまったらしいのだ。
「しかしウェイトモニカで門前払いの話を聞くとは……女を待ちぼうけさせた覚えはないんだがなぁ」
「ほう、兄ちゃんこの街の伝説を知っているのか」
……
ウェイトモニカはこう見えても古い町である。
帝国の生まれる前のゼットクロス共和国よりも歴史が古い。
この街は昔から商人たちの街であった。
古くから交通の要所出会った場所に商人たちが宿場や酒場を作り出したのが始まりだと言われている。
この街にモニカという女性がいた。
モニカは町一番の美人で、そして町一番のお金持ちであった。
彼女の作る果実酒が大変品質が良く、今でもモニカワインとしてこの街で親しまれている。
彼女には商人を志す一人の若者がいた。
彼の熱意と善意に惚れて当時危険な東へ行く男のために彼女は全てを預けることにした。
当時の東は多くの小国が連なり、絶えず争いの期間があったが同時に商売のチャンスが溢れる国々でもあった。
資金を援助された男は
「必ず成功してこの街に戻ってくる、一人前の商人になって君を迎えに行くよ」
モニカはこの男の言葉を信じて待ち続けた。
来る日も来る日も町の中心にあった彼女の店の前で、彼女は待ち続けたという。
晴れた日も雨の日も、嵐の日も雪の降る日も彼女は店の前で彼が帰ってくるのを待ち続けた。
数十日がたち、一向に頼りすらない彼に対して周囲の人々は彼を待つのを止める様に彼女を説得したが彼女は頑として聞かなかった。
いつもお読みいただきありがとうございます。




