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街かど探索

 翌朝立花一行を起こしに来たのは、金髪の美少年だった。


「初めまして皆様! 今日からお世話をさせていただきます!」

「どうも……」

「立花様にお洋服をお持ちしました!」

「ありがとうございます……」

 少年はニコニコして何かを待っている。


「……着替えて来ます」

 立花がトボトボと部屋に戻っていく。


「今日は午後から街をご案内しますね」

「はい……ありがとうございます」

 立花の代わりに鬱金が返事をしておいた。


 そして現れた立花は白いドレスシャツにふわふわのベスト姿だ。

「これお帽子です!」

 少年に渡されたシルクハットにはウサギの耳がついている。


「…………」

 立花は項垂れながら打合せにむかい、途中発見された虎杖に絡まれたり、打合せの条件が立花一人では決められないものだったりと色々あったが、立花は早く帰るために頑張って話をまとめた。




 そして午後、街で待たせていた女性部下と合流した立花は愛犬のロブを撫で回している。


「立花様、そろそろ時間ですから、待ち合わせに行かないと」

「俺も行かないとダメかなぁ?」

「主賓なんだから当たり前でしょ? 明日には帰れますから! 頑張って!!」

「そうですよ。街は普通ですよ」

「普通……?」

 立花は街にあふれる大きな彫刻に怯えている。


「ああ、ついに無機物まで……」

「もう人の形をしてるとダメだ……」

 護衛や部下が頑張って立花を励ますが立花は立ち直れない。


「鬱金様!」

「鬱金様お願いします!」


 仕方ないので鬱金は立花はを引きずりながら街を散策を開始することにした。




「立花様は何がお好きですか?」

 朝の美少年が立花に話しかける。

「何か機械物はありますか?」

「機械ですね!」

 少年は張り切って案内を始めた。まだ十代半ばの少年はギリギリ立花よりも背が低いのでどうにかなっているようだ。


 少年はオルゴールのお店に一行を案内してくれた。芸術の都らしく、作り込まれたオルゴールに立花はとても喜んでいる。それをみた少年が職人を呼んできて立花は職人と熱心に話し込んで、工房を見せてもらっている。


「鬱金様、時間かかるんで、別のところに行きませか?」

 護衛に言われた鬱金は驚く。

「立花様一人にしていいのか?」

「全然。ロブがいれば平気なんで」

「そうなのか……」

 凄い信頼されているんだなぁと感心して足元の黒い犬を見ると、ロブは任せておけと言った顔をしていた。




 数時間後、少年と分かれて街の拠点に戻っていると、ロブに連れられた立花が帰ってきた。


「おかえりなさい。何買ってきたんですか?」

「ただいま、これ、オルゴール」

 部下の迎えらた立花はイソイソと包みを開く。


「なんで同じ物が三個もあるんですか?」

「見る用、バラす用、予備。あと工具」

 鬱金に聞かれた立花は何故か嬉しそうに答える。

「バラすんですか?」

「うん。中が見たい」


「で、この予備はあのへのプレゼントですか?」

「あの娘?」

 女性の部下に冷やかされているが立花に心当たりはないらしい。


「ほらぁ、蘇芳さんの妹さんの……」

「ああ、棗さん? なんで?」

「ええ? 分かりやすく冷たいじゃないですかぁ……」

 立花より少し年上に見える部下はニヤニヤしている。

「あんまり恥ずかしがってると嫌われちゃいますよ?」

「いや……全然そういうのじゃないし……」


「立花様にアドバイスとかおこがましいぞ……」

「えっ?」

 ニヤニヤしていた部下は護衛の一人に言われて驚いている。


「ねぇ? 立花様?」

「いや。いいから、そういう話は……」

「え〜じゃあなんであんなにあの娘にだけ冷たいんですか?」

「いやだって、シツコイから……」

 立花が棗を好きだという事にしたい女部下は中々引き下がらない。


「凄いですよね〜棗さん。頑張って欲しいですわ〜」

「ね〜」

 部下や護衛達は揃って棗を応援しているらしく立花居心地が悪かった。

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