誰も彼等に気づかない
青い空の下
響く雄々しい声
彼等は
偉大な城壁 築いていく
大きな 大きな 城
荘厳にそびえ
何を守るのか
誰もが見上げ 息を呑む
塔と塔
繋ぐ空中の梯
彼等に命綱はない
陽の空に
風は音を立てて舞う
重い岩 抱え
長い杭 肩に乗せ
空に染まる足場
堂々 軽やかに
時に笑い
時に歌を口ずさみ
肌を黒く焼き焦がし
汗を滴らせ
砂を運ぶ
空を背に
陽に溶けぬ笑顔で
象牙の塔か
金剛石のタイルか
大きな 大きな 城
威光輝かせ
何がためにそこにある
城は美しい
昨日よりも
過去よりも
遥かに
明日になればなおのこと
誰かがまた見上げた
そして誰もが言う
創り手など知らぬが
これは確かに美しい
赤い空の下
雄々しき声は高らかに謳う
お前は知らぬのか
城に込められた心
それは
深層で辿り難い緻密さ
さあ 聞いてみるがいい
その知恵と威光を
なぜ存在しているのか
創った者しか知らぬその答えを