9.宇治金時
おかしいな、本編よりも解説が多くなってるよ。
更新遅くなりました。ブクマして下さっている方々とても感謝します。
学院からの帰り道。私はミントちゃんとリリスちゃんを連れて、宇治金時かき氷を作るのに必要な材料である、小豆、砂糖、お茶ッ葉を買い自宅である舘へと歩いていた。
日射しは暑いけど、荷物はそんなに重たくはない。三人で持っている事もあるけど、材料自体が少ないのもある。
本職じゃない和菓子の領分であるあんこはさすがに日持ちさせる事は難しいので、今日で食べきれる分のみ作る事にした為だ。そもそも、本職の人でも長期保存は無理だと思うよ。
と言う訳で、舘につくまでに簡単に宇治金時かき氷について説明しょうか。
そもそも宇治金時の宇治は、京都府宇治川の谷口に存在する宇治市が出産地である宇治茶を使っている事から宇治の名前がつけられ、金時は彼の金太郎、坂田金時のように赤い色の小豆を『金時』と言う事から、この二つを会わせたかき氷を宇治金時と呼ぶようになったとか。
ついでだけど、宇治金時は関東と関西で違いが有ってね。関東では器のそこに抹茶を注いでから氷を入れる習慣があるのに際して、関西は氷を盛ってから抹茶をかけるみたい。
これもついでだけどミルク金時は岡山県発祥で、とある喫茶店の常連客がオーナーに御願いした事で出来たんだよ。
っと、そうこうしてる間に家に着いたよ。外は暑いしさっさと舘の中に入ろうっと。
「ただいま戻りました...リースただいま。」
「お嬢様、お帰りなさいませ。」
「「お、お邪魔致します。」」
おや、二人供。緊張しているみたいだね。
まぁ、無理もないかな。二人が私の家に来るのは初めてだし。
...っと、氷々っと。ベリちゃん。
『はい、御母様。』
おっ、きたきた。
「さっそくでごめんね。あとで氷を作ってもらうから、いっしょに厨房に来て欲しいんだけど...それと、リースは二人を食堂へ案内してあげて。」
「かしこまりました、お嬢様方こちらへどうぞ。」
三人が食堂へと入るのを見送り、併設されている厨房でベリちゃんを伴い宇治金時かき氷を作る準備を始める。
「先ずはあんこを作る事からにしょうか。」
『あんこからですね。』
魔導コンロに小鍋を乗せ、その中に良く洗った小豆を入れ浸るぐらい水を入れ火にかけて行く。
小豆が水を吸い少したったら一旦お湯を捨て、新たに水を入れ強火で一気に煮詰めて行きます。
小豆の一部が割れて来たら火に弱火にして更に煮詰め行きます。
お湯の色が変わったら小豆をすくって芯が無いことを確認して、大丈夫なら冷水を少量づつ加えて冷やして行きます。鍋の水が透き通るくらいまで冷やせばオッケー。
ザルに小豆を移して、自然に水が切れるのを待って、水切りがすんだら再び鍋へ移して砂糖を小豆に対して1.5倍程投入し煮詰め行きます。
あとは小豆から出た水分が無くなるまで煮詰めて、その水分がなくなったら小豆を潰して熱を取れば立派な粒餡が完成。
続いて、ボールを準備します。
「ベリちゃん、お待たせ。さっそく氷よろしくね。」
『お任せください。御母様の願いならいくらでも作らせて頂きます。』
いやいや、そんなに沢山は......んーどうだろう。削って見ないとわからないな。
とりあえず、冷蔵庫からあんこを作る前に入れた器を取り出して行く。今回は作る量は家族分だけとは言え、それでも私たち三人と御母様。それにリースに精霊ちゃんズの分もあるからだいぶ削らなくちゃね。
結論から言って、宇治金時かき氷は好評でした。
まぁ、洋菓子専門の私が作ったにしては、上出来だと私は思うけど、そんな事を知らないみんなは美味しそうに、宇治金時かき氷を完食してくれた。
機会があればまた作ってもいいんだけど、問題があるんだ。
それはね。氷を削るのがしんどいのなんのって。手は冷たいし、滑るしで大変だったよ。清潔な布を巻いても直ぐに水吸ちゃってびちゃびちゃになって意味がなかったし。
責めてかき氷器が造れればいいんだけどね。
そんな事を思った夏の一幕であった。
まだまだ続くよ (たぶん)夏のお話。
次回は御菓子から少し離れて、アリア達学院組の日常を書こうかなって思ってます。
今回の舞台裏はお休みです。
次回も読んでいただけると嬉しいです。