8.夏の風物詩
毎日更新している方はいったいいつ書いているんですかね?
ブクマして下さっている方々とても感謝です。
アレから時は過ぎ初夏の日射しを感じる季節へと移ろっていた。
ついでにこの国には四季があるため、夏は暑い。それはもう暑いよ。
「あ、暑いね。」
「暑い...です。」
「あ、暑い。」
私たち三人は夏期休院が近付く学院の教室の中で、お互いの席に座りながら、暑さにだれていた。あ、そうそう席は私の前の席にリリスちゃん。左隣にミントちゃんの席がある。
これもついでだけど、この学院には夏服なんて物がなかった。何でも若い男女が無闇に肌を晒すものではないとか言う理由らしい。おかげでスカートの下にストッキング着用である。色は白か黒のみだし。ちなみに私は白派である。
「早く夏期休暇になって欲しい。」
「......です...ね。」
私の机に突っ伏すリリスちゃんは、ここ最近では珍しくなくなってきたけど、普段は淑女然としたミントちゃんまでもが、上着のボタンを二つ程外し、眩しい首筋と胸の谷間 (推定C)を去らしている事からも、暑さが分かると言うものだ。
しかし、こう暑いとアレが欲しくなるよね。
白き雪原の丘に色とりどりのシロップをかけて食べる夏の風物詩。
そう、言わずと知れたかき氷である。
かき氷の原型は平安時代には既にあり彼の清少納言の『枕草子』や藤原定家の『明月記』にも登場するが、この時代では特権階級向けの食べ物であり、一般に広く出回るようになったのは明治に入ってからである。
当然、昔にはかき氷器なんて物はないから、刃物の刃先で氷を削っていたみたい。そこから、スライサーや、鰹節を削る鰹箱を使用するようになり、現代のかき氷器が出来た訳である。
二度目になって口説いけど、この世界にもかき氷器はない。当然である。今までかき氷の存在すらないのにかき氷器だけ有ったら何に使うんだって話しになる。
だから、かき氷を作るなら、刃先削りかスライサーで削る事になる。
問題は安全な氷とシロップの方。水質汚染の心配がないこの世界ではあるが、病原菌なんかの問題もあるから、適当な水源を凍らせて氷を作るなんて事はしたくない。まぁ、ベリちゃんに任せれば問題ないかなとか思わなくもないけど。
シロップもなんとかする宛てはあるけど、フルーツ系はさすがに無理だよ。このうだるような暑さだよ。フルーツなんて直ぐに傷んじゃうよ。だから、考えた。フルーツを使わないシロップを。
そう、言わずと知れた宇治金時です。こいつならこの世界でも作れるはずだ。何せ既に緑茶は確認済みなのです。
「ねぇ、二人供......冷たいの食べたくない?」
「「食べたい」(です)!?。」
ああ、二人供凄い勢いだよ。
まぁ、気持ちは分かるけどさぁ。アレ以来私の作る御菓子に目がないもんね。
それじゃ、いっちょ作りますか。
......っと、その前に材料を勝手来ないといけないし、買い物して行きますかね。
ベリちゃん「御母様が呼んでるわ。」
イッちゃん「私達はお留守かな。頑張れ。」
みーちゃん「我達お留守。頑張る。」
うーちゃん「ずるいの?」
しろちゃん「まぁまぁ、みんな落ち着きなさい。」
ミリエラ「精霊ちゃん達、御菓子出来たけど食べる?」
精霊ズ『食べるぅ!? 』
お家ではこんな事が起きてましたとさ。
次回は宇治金時かき氷を作りますよ。