11.出発
更新遅くなりました。
ブクマして下さってる方々本当にありがとうございます。
旅行が決まってから数日間はみんな、てんやわんやになりながら、旅行の準備をしていた。
行き先は王都から北西部に位置するファルゲン地方にあるアルセと言う街だ。
アルセは父の旧家があり、今も祖父母が屋敷に暮らしていると聞いた。そう言えば、まだご存命なんだよね、祖父母。ほとんど話に上がらないから殆ど記憶にないよ。
当然ながらアリアとしての記憶には何度かあった事はあるんだけど、私がアリアになってからは始めて会うので少し楽しみだったりする。
そんなわくわくがあり、そもそも初めての友達と家族での旅行なんだ、今から楽しみでも無理がないと思うよね。早く旅行に行く日にならないかな、と言うか早く来い。
数日後。
早朝、太陽が登ってもいない時間帯に私は目を覚ました。わくわくし過ぎて殆ど寝てない状態なんだけどね。
「ふふふ..待ちに待った日が来たよ。」
深夜テンションと寝不足のせいか少し可笑しいアリアである。
「ふぁ...おはよう、ございま、す...ムニャムニャ」
「おはよう、アリア。随分と早起きだね。」
朝早くに出発するので前日から泊まっていた二人を起こしてしまったみたいだ。
「ああ、ごめんね二人とも。うるさかったかな、まだ時間あるから寝てても大丈夫だよ。」
「いえ、起き、ます。」
「大丈夫。」
ミントちゃんはまだ眠いのか、しきりに目をこすり目を覚まそうとしているし、リリスちゃんは既にベットから降りて無言で身体を伸ばしていた。
今日は日ノ出と共に馬車で出発する予定になっている。何でも街道沿いは騎士達が見廻りをしているので、比較的安全に旅をすることが出来るとか。もちろん、山中や街道から外れればその限りではないみたいだけどね。主に盗賊とか、獣に襲われるらしいと御父様が教えてくれた。
まぁ、街道から外れなければ殆ど無い事だから、頭の角にでも覚えて置けば言いとも言われたけど。
「早く起きる。」
「ふぁ~い...ムニャムニャ。」
その後、二度寝しそうになるミントちゃんを、リリスちゃんと協力し引っ張り起こす事になった。そんな事もあり、身仕度を済ませる頃には出発の時間が差し迫っていた。私達は前以て準備しておいた荷物を荷物用の馬車へと積み込み、私達は馬車へと乗り込んだ。ああ、御父様と御母様は別の馬車に乗ってるんだ。たまには夫婦二人っきりの時間も必要だと思うんだ。
そう言う事で私が乗ってる馬車には、ミントちゃんとリリスちゃん。あとリースに御者をして貰ってる。ほんとリースには頼りになりっぱなしだよ。
こうして、私達の始めての旅行へと出発したのだった。




