出会い
それはまだ冬の寒さが残る1月のことでした。
もうすぐ2月になるのにも関わらず冷たい風が吹いていた頃でした。
出会いはそんなまだ肌寒い冬の季節。
あたし、藤原みゆきは大学2年生で20歳になったばかり。
成人式も終え、そろそろ大学3年生を迎えようとしていました。
大学生活も順調でバイトや勉強に忙しいけれどそれなりに充実した毎日を送っていました。
1年近く付き合っている彼氏もいて本当に充実していたと思います。
色々と問題はあったのですが、それはまたあとで。
その日も仲の良い友だちの神谷千鶴ちゃん(以下ちづちゃん)に誘われて
ちづちゃんのおうちにお泊りをする予定だったため
バイトが終わってすぐちづちゃんのおうちへ向かいました。
バイト先からちづちゃんのおうちまですぐ近く。
10分もかからない間にちづちゃんのおうちに着きました。
チャイムを押すと、あたしだとすぐにわかったのかちづちゃんの走ってくる足音が聞こえて
それから間もなく玄関の扉が開きました。
「やっぱりみゆきだ!待ってたよー。」
「遅くなってごめんね!バイト終わるの遅くて。」
「バイトお疲れ。まあ上がって!」
―うん?なんだかいつもより靴が多いな・・・。
ちづちゃんのおうちに行くのは初めてではなく、
暇があれば来ていたのでいつもより靴が多いのが気に掛かりましたが、
そのときは気付いただけでさほど気には留めていませんでした。
そうして、ちづちゃんの部屋の前に着いたとき中から話し声が聞こえてきて
靴が多いわけがこのとき初めてわかりました。
ちづちゃんの部屋の中には先客がいたのでした。
部屋に入ってみると見たことのない男の人が2人。
ひとりは黒髪でやや伸びた感じの何も手を加えてないような髪型で服装はジャージ。
もうひとりは茶髪でサラサラのボブでこちらも服装はジャージ。
「なんで男の人がいるの?」
「小学校からの友だちで家近くて、暇そうだったから呼んじゃった!」
「あたし彼氏いるの知ってるでしょ?!だめだよー帰るー。」
あたしが荷物を持ってちづちゃんの部屋から出ようとすると
「ごめんね、でも、こいつらは信用出来るから大丈夫だよ。」
ちづちゃんがそう言うんならまあ・・・と状況に流され4人でお泊りすることに。
あとでちづちゃんに黒髪の人は本郷ゆうき、茶髪の人は高井あきひと
と教えてもらいました。
大学生のお泊りのお供といえばお酒、ということで
ちづちゃんの部屋にあるお酒で夜はプチパーティーでした。
ちづちゃんに名前を教えてもらっていたのであたしの簡単な自己紹介を済ませ
(あたしは人見知りはしない方なのですぐ馴染めました。)
はじめて過ごす4人での夜は更けていきました。