リモートラット・野村野球論・秋葉原
今回のサブタイは、立花隆の読書感想文集たる文庫本の中の統一的なサブタイトルの形式を真似た。
この本は記者出身の著者がほとんど1ページごとのハイペースで書評を繰り広げていく本で、情報密度がケタ外れに高く、同時に面白く読める素晴らしい『本の本』である。
二年ぶりくらいに秋葉原を訪れたが、やはりこの街は毎日お祭りみたいで楽しい。ヲタクカルチャーにどっぷりではない僕でもとても楽しめる。ある種、お客として。
数年前は、友人の影響もあって頻繁に通った街だ。思えば、日本の中でもずいぶん独特な活気を備えた場所である。本当に、毎日お祭りみたいな。
ライトノベル方面にプロデビューを目論んでいる方は、是非機会を見つけて行ってみるといい。これが秋葉原か……と、圧倒されたり引いたりすること請け合い。
改めて、建物の余った表面積におけるアニメ絵の支配率が壮絶に高いと思い知った。もちろん店内のBGMは、何らかのアニメ関連サウンドで固定だ。
この街の、深く狭く追求していく真のホビー根性と、他者への完全な無関心が同居した、特有の人々が集合して作り出す地球上唯一の異空間が放つ空気。
今日久しぶりにその空気を吸ったことで、なぜこの街の活気に引力を感じたかを考えるきっかけとなった。再認識なのではなく、今、始めて考える。
何故だろうか。ただ、活気があるというだけなら、渋谷でも原宿でもいいはずだ。やはり、この濃い独特なパワーに将来性を感じているのだろう。
面白い力である。地球上で、今のところ、ここだけ。
(元)オタクカルチャーの地位は急上昇中である。五年前のAKBは、秋葉原のドンキの上層階にある劇場で活動するだけの存在だった。今で言う地下アイドル程度の規模。まあドンキにはなかなかチャンとした行列ができてて、買い物するにはウザかった記憶がある。
そして今や、言わずもがなの支配率。ものすごい出世だ。
ヤスシ、恐るべし。
リモートラットとは、脳に機械を埋め込んで
コントロールできるラットのことです。
快楽物質だったか、快楽を司る領域を電気刺激するかは忘れたが、とにかく、人の思い通りの方向に歩かせることができる。災害地への情報収集など、そのままでも様々な利用が期待される技術だ。
そうした話を本で読み、人間にも流用できるよな……と思った。現に、表面的な広告や娯楽コンテンツや風潮のコントロールによって、人々の感情や嗜好を、ある程度画一化されているのではないか。まあ……別にいいけど。
図書館で本を借りて読むと、タダです。これってすごいと思う。
野村イズムよ永遠なり、というモノモノしいタイトルの文庫本を途中まで読む。実に楽しく、素晴らしい。
この本は、野球にちょっとでも興味のある人にはたまらなく面白い読み物であると同時に、凡百のビジネス書にはない力強さがある。
野村さんは、人材育成(人間教育と本人は強調する)に力を入れているらしい。そこかしこに、自分一人だけでなく、自分の属する組織の勝利や、自分の後を引継ぎ組織を支える人材を育てることについての重要性を説く文が見られる。
イメージとは違い、情の深いところがあって、そしてそれ以上に、勝利を求める姿勢が真っ直ぐで強いのだ。
野村さんは運動能力よりも、知力で生き残ってきた、という論調で現役時代を振り返っていた。
確かに、体格を見ると、運動センスの塊とは言い難く、ちょっと重そうな身体である。
しかしキャッチャーで三冠王なんて、現代で言うイチローよりすごいくらいの快挙を成し遂げた選手で、その割に記録について表だって褒められないことについてもまたユーモラスにボヤイている。二十代から解説など“プレー外”の需要を見越した活動に力を入れていただけあって、文章もとても読みやすい。上手い。
野球がちんぷんかんでない人にはオススメです。ちんぷんかんでもいいかも。




