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とある草原に関して

作者: 凍結
掲載日:2026/07/28

人は、見慣れた景色ほど疑わない。

いつも通る道。

いつも見る空。

何気なく過ごしている日常。

しかし、ほんの少しの違和感が、その日常を大きく変えることがある。

これは、とある草原を巡る奇妙な出来事の記録。

始まりは、何もない場所で起きた小さな事件だった。

広がる緑。

青い空。

静かな風。

誰もが「何も起こるはずがない」と思うような場所。

だが、その場所には説明できない何かがあった。

残された映像。

消えた人々。

そして、真実を追い求める者たち。

彼らが辿り着く先に待っているものとは何なのか。

あなたは最後まで、この草原の違和感に気づくことができるだろうか。

キャンプに来ている家族 


そこは広くて何もない草原、空も晴れていてキャンプ日和

子ども2人、テントのすぐ横で鬼ごっこをしている。

父親が子どもを呼びに行くと、子どもがテントから遠い位置でまだ鬼ごっこをしているようだ。

子どもの2人が草に隠れてしまった。

父親がふと子どもに目をやると子どもの声がスッと消え、父親が子どもに駆け寄ると子どもの姿が消えていた。


※


1人パソコンに目をやる高校生がいた。

高校生の春は、とあるネットニュースに目を向けた。

「草原で2人の子どもが行方不明」と書いてある。ごく普通の行方不明のニュースかと思って次のニュースへ行こうとしたとき、一つの記事が目に入った。

それは行方不明者のポスターだった。何かがおかしい 名前の欄や電話番号は正常。写真が誰もいない草原になっていた。


「なんだ?これ」そう思い、ふと出来心なのか知り合いにミステリーに詳しい友人がいたことを思い出した。

名は原松直人

直人に同じ記事を見せた。


直人「確かに草原だけだな」

春「だろ?なにかわかることはあるか?」


6秒黙り込む、すると直人が「とりあえずここに書いてある電話番号にかけたら迷惑だから知り合いに当たって調べるよ」


春「ああ、俺も出来ることはやるよ」

そう思い電話を切った。


他に何か、草原に関することはないか調べていたら、ある動画が見つかった。「放送事故①?」

それはある草原でバーベキューをしている。バラエティー番組だった。ふと右手のマウスをカチッと押した。


『日本の絶景でBBQ!夏休み2時間SP』


出演者

MC:加藤

芸人:村田

タレント:結衣

ディレクター:佐藤


加藤 「いや~、見てくださいこの景色!めちゃくちゃ広い草原ですよ!」

村田 「ここで肉焼いたら絶対うまいっすよ!」

結衣 「空気もおいしい~!」

(笑い声)

村田 「……あれ?」

加藤 「どうした?」

村田 「今さ、人いた?」

結衣 「え?」

村田 「向こう。」

スタッフ 「いや、誰もいませんよ。」

村田 「……見間違いか。」

(BBQ開始)

結衣 「いただきまーす!」

加藤 「最高!」

村田 「……。」

加藤 「食べないの?」

村田 「……なんか静かじゃない?」

スタッフ 「鳥の声してますよ。」

村田 「違う。」

「静かすぎる。」

結衣 「ねえ。」

「さっきから煙、上に行ってなくない?」

全員が煙を見る。

煙は真っすぐではなく、 地面へ沈んでいく。

スタッフ 「風のせいじゃないですか?」

村田 「……いや。」

「風、吹いてない。」

ディレクター 「はい一回CM用コメントお願いしまーす。」

加藤 「えー、この草原、本当に最高です!」

村田 「……。」

加藤 「村田?」

村田 「帰ろう。」

加藤 「え?」

村田 「ここ、帰った方がいい。」

スタッフ 「なんで?」

村田 「誰かいる。」

スタッフ 「誰もいませんよ?」

村田 「いる。」「ずっと笑ってる。」

村田が立ち上がる。

「俺、あそこ行かなきゃ。」

誰も指差していない草原の真ん中へ歩き始める。

加藤 「おい!」

村田 「呼ばれてる。」

そして画面越しの村田は笑いながら遠くの森へ走っていき、動画がプツンと切れた。


「なんだよ、これ」

これも、直人に送る予定で他の情報を集めるため探してみた。「YouTubeにあるか?」すると一本のショート動画の切り抜きを見つけた。一つの配信だった。


『話題の草原に2人で来てみた!!』 


2人の男が写っていた

配信者:ハル 「今日は噂の草原に来てます!何もない場所だけど景色めっちゃいい!」


コメント

「きれい!」

「どこそこ?」

「BBQできそう」


ハル 「めっちゃ静かなんだよね。」


コメント

「後ろ誰?」

「人いるよ」


ハル 「え?誰もいないよ。」

カメラを後ろへ向ける。

誰も映っていない。


数分後。

コメント

「後ろの子どもが笑ってる」

「白い服の人映った」

「なんで無視するの?」


ハル 「え、ちょっとやめて。怖いこと言わないで。」

ハルが画面を見る。

「……コメント?」

新しいコメントが流れる。


『帰ってきたんだね。』

ユーザー名は表示されない。


コメント

「帰ってきたんだね。」

「帰ってきたんだね。」

「帰ってきたんだね。」

「帰ってきたんだね。」

「帰ってきたんだね。」

コメントが止まる。

数秒後。『後ろを見ないで。』ハルは反射的に振り返る、何もいない、安心して前を向く。

コメント欄は一斉に

「見ちゃった。」

その瞬間砂嵐のようになり、画面がついたときには、草原の奥にハルが遠くに立っている。

ハルの目の位置がおかしい、少しずつ顔が変形している。そこでハルを捉えていたカメラは転落して動画は終わった。


「うわぁ!!」背筋がゾクゾクした。この動画を直人にこの2つの動画を送った。

その後、直人から電話が掛かってきた。


春「直人、どう思う?これ」

直人「これは、だめなやつだな。」

春「見るからにやばいのはわかるけど、どこらへん?」

直人「気づかないか?2つ目の動画のタイトル『2人で』なのに1人は一言も喋らない。」

春「うわ、」

直人「あーそれと、新しい情報なんだけど」

春「なに」

直人「あのキャンプ事件の父親が一昨日自殺したらしいぞ」

春「それ本当か?」

春「母親は?どうしてる?」

直人「そうだ母親については明日、実際に合ってみることにするよ。お前もついてこい。」

春「ああ、そうさせてもらう。」


次の日、あのキャンプ事件の母親、直美さんに話を聞いてみた。


春「すみません。お時間いただいて、直美さん」

直美「いえいえ、見つかればいいんです。」

春「お子さんたちが最後に確認された時のことを、もう一度聞かせてもらえますか?」

直美「あの時、私は後悔してるんです。なぜあの時、父と一緒に子どもを見守ってやらなかったんだって」

直美「突然消えたと、父が言っていました」

春「、、あの、失礼ですけど父さんについてなにかありませんでしたか?」

直美「そうだ、父が亡くなる1日前に『いかないと』と言っていた気がします。」

春「いかないと、、?」

直美「すみません、、子どもと父のことはこれしかわかりません。」

春「そうですか。、、わざわざありがとうございます。」


そして、自宅を後にした。

結局、2つの動画とキャンプについての共通点は1つの草原だけ。

あと他の情報を集めるには、実際にその草原に行くしかない。


春「行くしかないか、、」

直人「、、、」


次の日、2人で覚悟を決めて草原に行くことにした。


車を走らせていると近くに例の草原が見えてきた。

直人「あれが例の、、」

すると薄っすら人のような物が見えた。

春「え?」

春「気のせいか、、?」


車をおり、注意深くその草原にゆっくり言ってみた。


直人「見た目は普通の草原だな。」

すると、突然人のような物が4人見える。


春「おい、、あれ見ろよ。」

そこにいたのは、行方不明になった人たちだった。

直人「なんだ、、」

恐怖で固まって動けない。

するとその4人は一斉に指を指し。

ゲラゲラゲラゲラゲラと笑い始めた。

直人は何も言わなくなってしまった。

春「、、、直人??」

すると直人がゆっくりと春に指を向けて、

顔が引きつるほど笑い始めた。

ゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ

春「わあああああぁあああ」

春は、全力疾走で車へ戻り車を走らせた。


その後のことはあまり覚えていない。

次の日から直人は行方不明になった。

なぜあの時、置いていってしまったのだろうか。

後悔が泥のように胸へ、へばりつく。


※


警察「では、なにか知っていることはありますか?」

直美「はい、私の息子について聞いてきたんです。とても熱心でした。この人なら話してもいい気がしたんです。」

直美「まさか、驚きました。春さんが亡くなるなんて。」

直美「あ、でも、とても不思議でした。」

警察「例えば、、?」

直美「1人で私の家に来たのに、隣のいない空間に話しかけてたんです。」

直美「確か、、、直人、、って」

直人「その時、息子のことしか考えられなくて聞けなかったんですけど。」


春の家


鑑識官「春さんの家にこんなものが」

刑事「これは、、スマホ?」

そのスマホには録音された音声が入っていた。


録音音声

春「あの時、後悔しています。なんでおかしくなった直人を連れて帰らなかったんだ」

春「なんで走って帰ってしまったんだ」

春「あのときビビらなければ、救えていたのに、、、、、、、、、」

春「、、、、、、」

「、、、、、」

春「、、あれ?、、」

春「直人って誰だっけ、、」

春「あはははははww誰だっけ?」

春「あははははははははははひ

ははひはは」

春「、、ごめん直人、、、、」


春「い」

「か」

「な」

「い」

「と」




考えましょう。

質問1


直人は、何だと思いますか?






最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


みなさんは、違和感を感じたことはありますか?

この物語の中で、一番大切にしたかったのは「恐怖」ではなく、「違和感」です。

最初は小さな違和感。

写真に写らないもの。

誰も聞いていない声。

存在しているはずなのに、説明できない何か。

そして、その違和感は少しずつ日常を壊していきます。

直人とは何だったのか。

草原は何だったのか

春が最後に残した言葉の意味は何なのか。

答えは、読む人によって変わるかもしれません。

人は、自分の記憶や経験を信じて生きています。

でも、その記憶がもし間違っていたら。

大切な思い出が、最初から存在しなかったものだったら。

本当に怖いものは、目に見える怪異ではなく、

「信じていたものが崩れる瞬間」なのかもしれません。

この物語を読んだあと、もし身近な誰かに違和感を覚えたなら


一度だけ、名前を呼んでみてください。


返事が返ってくるかどうかを、確かめるために。

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