あとがき:大反省。百合ってなんだ
百合ジャンルとしておきながら、浅い理解と思考で書きなぐったことを反省します。同性である意味、女性同士である意味、少女である意味、好意を持つきっかけ・経緯、好意を持った結果・結末。それぞれに必要な説得力を用意できず、ほとんど全てを雨夜メアというキャラクターに背負ってもらうことになりました。
同性を気にせず行動し、受け入れさせる魔性の魅力も持ち、櫂凪と鳴子の関係のきっかけにもなる。デウスエクスマキナ(?)というものでしょうか。書き終わった後で振り返ると、頼り過ぎだと強く感じます。一応ほんのりと、櫂凪にとって神の如き存在なのだというつもりでいましたが……。
説得力のないお話に何が残ったのか、もしくは神に説得させた作品はどう見えたのか、感想が気になるところではあります。贅沢なお願いですね。一応、メアは作中で完全性を失ったので、続きがあれば、神ではない姿を見られるかもしれません。
櫂凪周りの事情も書き損ないました。家庭環境があまり良くなく、安心して人と暮らしたことのない、帰る港の無い舟のような……と描写したかった気がします。煮詰めが足りませんでした。
出すタイミングを見つけられませんでしたが、櫂凪の父親は、男子が欲しかったのに娘しか生まれず家庭に興味を失った設定です。家にはほぼ帰らず、出稼ぎして最低限の関わりしかしない、みたいな。メアの母親も出せませんでしたが、海外の実家で息子(大学生)と暮らしている設定です。細かなことを気にしない陽気で自由な性格で、旦那を振り回すタイプ、夫婦仲は良好だと思います。
後、書き損ないではありませんが、ストーリーに文字数を食い過ぎて、学園百合モノとして定番のシチュエーション(夏祭り・文化祭・修学旅行・体育大会など?)をやれなかったのも反省です。修学旅行については高額な積立金が必要なので、どうであれ、櫂凪・鳴子のどちらも行けなかったのですが……。ストーリー優先で楽しいイベントをすっ飛ばすなんて、エンターテインメント精神に欠けています(?)。
百合っぽいこと、百合に必要なこと、百合の楽しいこと、全部できていないのなら、いったい何をやったんでしょうか。私にはわかりません。
ところで、百合ジャンルかつお嬢様学校(かつミッション系かつ疑似姉妹)モノと言えば、『マ〇ア様がみてる』という大巨人作品(始祖巨人作品?)がございますが、あらすじを確認しただけでまともに拝見しておらず、やっと触れることができるなぁと思っております。知ってしまえば強烈に影響を受けると思って、距離を取っていました。
つい最近、アニメの第一話のみ視聴しましたが、あらゆる作り込みが精緻で格好良く、凄みに腰を抜かしました。
なお今回、拙作は結果的にこのようなお話になりましたが、『マリ〇て』意識したのではなく(無意識下の影響はあると思います)、『女子バディ物』『百合っぽい感じ』『悪夢』を書こうとして成立する条件を考えたら、ミッション系お嬢様学校が舞台になった感じです。
『悪夢』以外に書こうとした二つのポイントは多分、構想時に世間で流行っていた『リ〇リスリコイル』の影響ですが、『リコ〇ス』も拝見しておらず、こちらもいつか見てみたいと思います。
最後に、書いていて今の自分の限界を強く実感しました。人生への不真面目さやインプットの少なさからくる、題材・ストーリー・感情・キャラクター・背景・用語・文章力・表現力・etcの引き出しと魅力の無さ。特に文章力・表現力はずっとラフ文字みたいな状態で……。このまま継続しても、味の無い虚無を作りそうですね。
当たり前に人生を一生懸命生き、たくさんの創作に触れるなどして、自分を磨く必要を感じます。必死さが足りないってヤツですね。そもそも、今回は軽めにしようと思ったのに、賞に応募もできない無駄に長い文章となった計画性の無さが……。目的も目標もなく好き勝手に迷走するのは楽しかったですが。
以上、最後の愚痴までお付き合いいただき、誠にありがとうございました。
ではまた。いつか、どこかで。
小鷹纏(2025/03/17)




