みんな狙っているよ
何かいいものないかな?
マスターはしばらくして退院したが、店には出ないで自宅静養となった。腕も痺れて麺あげもできないと言う。
テレビの取材があれば店に出てくる感じだ!テレビが放映されると、行列は2時間待ちだったのが、4時間待ちとなる。店は、番頭さんと弟子で回す事になった。閉店後は担当が
1日の売上金をマスターのマンションへと運んでいた。俺は、卒業する時のマスターの色紙を、どのタイミングでもらうかが迷っていた。マスターの体調によっては、書けない時があるからだ。そして、あまり早いタイミングだと、マスターにも失礼にあたる。店もどこにするか決まってもいなかった。それと、開発による立ち退きも決まっており、みんな閉店の時に、記念に何か頂こうと算段していた。俺はコインカウンターを譲って欲しくて、マスターに相談したが、もう〜決まっているから、そっちに聞いてみて!と言われた。兄弟子が先に押さえていた。オマケに製麺機も譲って貰えるという。長年、大勝軒に貢献してきたし、誰も何も言えない。ある人は、金のロレックスのありかを知っているらしく、やはり狙っていた。マスターのマンションに挨拶に行くと、みんな狙っているよ!と一言漏らした。
いよいよ卒業