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上の部屋に幽霊が出ました

 突然ですが、私には最近悩まされていた事があります。

いわゆる心霊現象とかいう奴です。

実は霊って気づいたのは最近の話なんですけどね。



 時間は現在から少し前に遡ります。

 


 私はとある集合住宅に住んでいるフリーターです。

夜型人間なので基本的に夕方から深夜にかけて仕事をしておりまして、昼は家にいるわけです。


 昼間はゲームなどをして遊んでいるのですが、ある日、上の階から釘を打つような音が聞こえてきました。

当初は「自分と同じように夜型の人間が日曜大工でもしてるのかな」なんて思っていました。


 しかし上の階からは次第に大きく、様々な音が響くようになりました。


 例えばノコギリで木材を切るような音がしました。

ゴトンという音もしたので、おそらく切り落とした木材が床に落ちたのでしょう。


 他にもネイルガンのような電動工具の駆動音や、ドタバタと走り回るような音も聞こえてきて、上の部屋に工事現場がワープして来たのかな?とすら思える程の煩さに発展していきました。



 音は突然止んだりするのですが、暫く経つとまた日曜大工のような音が鳴り始めるのです。


 そうして騒音に悩まされて一週間と少しが経った頃でしょうか。

私はこの音にある規則性を見つけました。


夜にはこの音は鳴らないのです。


最初は「自分と同じような生活リズムの人が趣味でやっているのだろうな」と思っていましたが、段々と苛立ちのせいで「自分へ嫌がらせをする為にやっているんじゃなかろうか」と被害妄想じみた感覚を覚えるようになりました。


 昨今の都会人らしく隣に住んでる人間の顔すら知りませんし、普段は掃除機以外で大きな音を鳴らす事はほぼ無く、冬眠中のクマのように丸まって静かにしているので恨みを買う覚えもないのです。

 

 さて、遂に騒音に耐えかねた私は大家さんに連絡する事にしました。

しかし連絡してから思いの外早く帰ってきた連絡は、思いもよらないものでした。



「104号室に入居されている方は現在おりませんが……」



 私はギョッとした。

そんな訳ないだろう。相当な音が連日鳴っているのだからと文句も言いたくなった。


 が、そこはグッと我慢。

とりあえず残る可能性を考えていく。


 私が住んでいるアパートは一棟に4つの居室がある。

なので、上から聞こえてくるならば真上だけではなく斜め上から聞こえてきたのかもしれないと考えた。


 しかし、103号室……もう一つの上の階に住んでいる人間は妙齢のご婦人であり、そういった日曜大工のような趣味は無いようだ。


 一応隣の部屋にも聞いてみたが、家族連れとはいっても日曜大工の趣味はないとのこと。



 という訳で次の仮説。

自分が統合失調症なのでは無いか?というものだ。

が、これも可能性は低いと思った。

自分はメンタルクリニックに通院しており、そういった症状は診断されていないのだ。

 

 アパートの各棟自体の距離は遠くは無いが、窓を開けっぱなしでも掃除機の音も聞こえない程度には離れている。

別棟からの騒音の可能性も無いなと思えた。


 そこで私は一つの結論に辿り着いた。



「うん!これ心霊現象だ!」



 そう確信すると、多少の恐怖はあれどちょっとワクワクしていました。


 何故なら私は普段から作業用bgmとして2chの怖い話を聞いたり、時折オカルト雑誌を読んで楽しむ程度の軽いオカルト好きだったからだ。

今までは霊感が無いからかそういった霊現象に遭遇した事が無く、いつか体験する事をちょっと期待していました。



 ……さて、これが霊のしわざだと分かったところで何をすればいいか素人の自分には分からない。


 大家さんに「俺の上の部屋に幽霊いますよ!」なんて言っても「なんだコイツ頭おかしいだろ」と思われても終わりでしょう。

かといって、部屋に無断で立ち入れる訳も無く。


 結局、「まぁ幽霊がいるならいるでいいか」と特にアクションも起こさずに、ちょっとした非日常のワクワクを抑えて明日を迎える事にしました。



 ですが、幽霊と分かったは良いものの、騒音は騒音ですよね。


 私は日課でえっちな作品を見ます。

日付が変わればすぐにdlsiteで更新された作品を確認しにいくのは毎日のルーティン。そのぐらい世間的には如何わしい作品が好きです。


 もちろんえっちな作品を見るならば当然そういう事もする。

数ある作品群の中から自分のお気に入りの一品を見つけてティッシュ箱片手に行うのは日々のストレスを洗い流せる至福の時間です。


 だが幽霊にはそんな事お構いなしらしく



 カンカンカン!

 ギコギコギコ!

 ドタドタバタバタ!

 ギュィィィィィーンッ!



 まぁ……なんというか、キレた。ブチギレってやつだ。

パンツも履かずにキレ散らかしてた。


 ゲームやら動画やら漫画やらを見てる時に騒音を鳴らされてもイライラはする程度だったが、当時の自分は三大欲求の一つを邪魔されては我慢ならなかったらしい。

怒りを思い出しているからか、ここまでの文体もだいぶ変わっている。



 幽霊は性的なものに弱いんじゃなかったのか?とか


 何で人が楽しんでる時だけ騒音出すんだよホームセンター行ってくたばれバーカ!とか


 エッセイにして全世界に晒してやるからな覚悟しろよとか


 近くの部屋の人に迷惑がかからない程度の音量で、しかし怨念は悪霊以上に大量に込めて他にも大量の罵詈雑言を言いまくった。

パンツも履かずに


 


 そうしてしばらく天井に指を差して、その後に怒りのまま書き殴った文章がこれである。


 ……よくよく考えれば、真昼間からパンツも履かずにブツブツ悪態ついて何も無い天井指差してる人間の方が幽霊より怖いんじゃなかろうか?



 

 そろそろ筆を置く事になりますが、現在幽霊はどうなったかというと……



 時折ペタペタと小さな足音を立てるようにはなったけど、あまり大きな音は聞こえなくなりました。


 ざまぁみろ人間様に勝てると思うなよ2度と逆らうんじゃねぇぞ地に足ついてないバカがよ。

もしかしたら知らぬ間に侵入してきた不審者かもしれませんが、それはそれで怖いですね。


でも勝手に侵入してきた上で日曜大工始める不審者の胆力は見習うべきところがあるかもしれません。

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