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一生の不覚

【ホテル草壁503号室】

「꜀( ꜆>ᯅ<)꜆うっく…ひっく……えぇーん!梨香さんに見られちゃったよお〜」


部屋には2つのベッドがあるが、亜沙美が寝ている方には【アミー水】による日本地図(?)が描かれていた


「き、きっ、きっ……きっと…昨日は初対面とか…色々ありましたから…その緊張されていたのではないかと…(わたくし)は誰にも言いませんから…」

挿絵(By みてみん)

時刻は6:30になろうかという頃。泣きじゃくる亜沙美と、彼女を必死になだめながら着替えをしている梨香が居た




【6:55】

「……ねぇ梨香さん…」

「何でしょうか?」


「その…漏らしちゃったのは…私の責任ですけど…どうして私…下を履いてなかったのかなぁ?」


「(꒪꒳꒪;)そ、それは……亜沙美さんが凄くうなされていまして…その声で目が覚めまして…亜沙美さんがあまりにも怯えていらしたから…起こして差し上げようと思いまして肩を掴んだ時に…」



「なるほど、です…それで、私が漏らしちゃったのを見た梨香さんが…私が起きる前に処理してくれようとして…それで脱がしていたのですか…」

挿絵(By みてみん)

引き籠もり気味の亜沙美が、初めての友人同士での旅行。太一との関係への質問。それらがストレスとなって積み重なり…亜沙美に怖い夢を見せたようだ

大浴場で脱水症状寸前で倒れた亜沙美は、少し水分を多めに取ったことも重なり、恐怖に負けてお漏らししたようだ…



「亜沙美さん!申し訳ありませんけど…もう7時を回りましたわ。朝食の時間もありますし、シャワーを浴びてきてください。その間に私がベッドを拭いておきますから!」


「すみません。お願いします」


朝食のタイムリミットに余裕が無くなってきたので、亜沙美は慌ててシャワーを浴び、すかさず着替えて1階のホールへ朝食を取りに向かった。梨香は【アミー水日本地図】を拭き取ろうとしたが…上手くいかなかったので、せめて香水を掛けて匂いを誤魔化しておいた




【7:30】

流石にゴールデンウィークのホテルの朝は、朝食を取る人でホールも混雑していた


「太一くんは……まだ来てないようですわ」


「太一は、けっこう時間ギリギリに来るから…もう少ししたら…来ると思います…」


今朝やってしまった【一生の不覚】でメンタルに大ダメージを受けた亜沙美は、まだ元気を取り戻せていなかった


「亜沙美さん。向こうの隅の席が空いていますわ。アチラにしましょう」


ホテルは朝食に8種類のドリンクと5種類のパン、更にゆで玉子や焼き魚にデザートなど、かなり豊富な種類でのバイキングを提供していた


まだ食欲が戻らない亜沙美はオレンジジュースと、パンとバナナだけを取ってきた。梨香もカフェオレにトースト、ゆで玉子にヨーグルトを取ってきた



「あの亜沙美さん…私、今朝のことは口が裂けても絶対に誰にも言いませんから…あまり気にしないでくださいね。笑ったりとかしませんから」


「うん…ありがとう梨香さん…あのね、私…」


亜沙美は、去年父親を事故で失ってから母親も留守ガチになった辺りから、引き籠もり気味になってしまいソレを太一が世話を焼いてくれていう事情を、なるべく丁寧に梨香に説明した


「そうですか。そんな事がありましたのね…太一くんから簡単には聞いていましたけど…それは大変でしたね……それに、私もそうですが…クラスメイトに群れられて質問責めにあわされてたのもストレスになっていたのですね。そうとは知らずに申し訳ありませんでしたわ」


梨香は亜沙美の目を真っ直ぐに見つめて

「絶対に誰にも言いませんから!」

と約束してくれた。それに対しての感謝の気持ちも込めて身の上話を説明した亜沙美


「んーん。私も手間かけちゃって…ごめんなさい…」


少しだが、お互いに心の内を話し合えたことで少し距離が縮んだ気がしていた2人


「おっ!梨香に亜沙美!おはようっ!」


7:40を回った頃、ようやく太一がやって来た。梨香と亜沙美を見付けた彼は、4人用テーブルに座る2人と向かい合わせに座り急いで食事をはじめた




続く

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