エリクシア・エンジェルズ
【実食タイム】
「んうぅ〜美味しいよぉ♪」
調理を終え実食に入った3人
まずはロミータが作った料理を口にした亜沙美は、あまりの美味しさに頬が落ちないようにほっぺたを押さえて喜んでいる
「本来はシュー皮の中に、果物や生クリームを入れてデザートにするんだけど…先輩がハンバーガー作ってくれたからね。やっぱりハンバーガーにはポテトでしょ?」
ロミータはシュー皮の中に、バターで炒めたじゃがいもと玉ねぎ枝豆を入れて、おかずとして完成させた
「ハンバーガーって家で作っても、こんなに美味しく出来るんですね♬」
「パティの中に香辛料や野菜を微塵切りした物を混ぜてるの。食べ応えあるでしょ?」
スパイスを効かせた上で野菜を多く入れることにより、ヘルシーなハンバーガーを作ったオリビア
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「デザートに朱福で買ったフルーツパフェを食べてください」
亜沙美は簡単な鶏そぼろ丼を作ったが、彼女のメインは鈴鹿市で買って持ってきたパフェだった
「甘さ控え目で凄く美味しいわ♪これ、東京でも売っていないのかしら?」
「どうなんでしょう?数量限定販売だからかなぁ?地元以外では見たこと無いんですよぉ…」
朱福のフルーツパフェを初めて食べたオリビアは、かなり気に入ったようだ。配信後に東京で買えないか?調べるつもりになっていた
「ふぅ…美味しかったわね♬」
「そうね、少し食べ過ぎちゃったかしら?」
「ご馳走様でしたぁ♪」
✱「羨ま〜」
✱「食いたい」
✱「エプロン姿良かった」
✱「美味いんやろな〜」
「じゃあこれでロミーの枠は終わりね。次はショーツ先輩の枠でゲーム実況ですよね?」
「嬉しいことに案件頂いたからね。取り敢えずこの枠ではお終いね。みんなお疲れ様〜♪」
「お疲れ様〜♬」
「お疲れ様でしたぁ」
✱「お疲れ様〜」
✱「次も楽しみ〜」
✱「次は新しいゲームか」
✱「待ってます」
【エリクシア・エンジェルズ】
「では、引き続き私の枠でDNN・GAMES様から明日リリースされる【エリクシア・エンジェルズ】を始めたいと思います」
オリビアは枠を開いてから、ショーツ、ロミー、アミの順番で挨拶をした。それは、3人の音量バランスの再確認の意味も含まれている
「私の部屋には予備も含めて3台のパソコンがあるから、3人同時にプレイ出来るのよ♪」
✱「リリース明日なのか」
✱「PC3台は強いな」
✱「楽しみにしてるゲームだ」
✱「どんなんだろ」
✱「ワクワク…」
大手ゲームメーカーから新しくリリースされるゲームの先行プレイ配信だけあって、リスナーからの注目度も高いようだ
「ただ同時配信は通信の問題で2台までしか出来ないんだけどね」
「じゃあ先輩とアミが配信してください。ロミーは録画して、後日振り返り配信で流そうと思います」
「そう?助かるわ。ソフトは既にインストールしてあるから、早速始めましょうか?」
「よ、よろしくお願いしますぅ…」
ゲーム配信の後は、雑談配信で枠を用意している亜沙美は、1日に2回配信出来ることになった
【エリクシア・エンジェルズ】
エピローグ
「何故、人類は争いを卒業する事が出来ないのか?何時の世でも人々は自らの欲望を追い求め過ぎるあまり、同種族同士で争いを繰り返す愚かな生物である
そして行き過ぎた蛮行に我慢の限界を超えた神々により裁きを下され、人類の歴史は何度もリセットされてきたと言うのにだ…
西暦21XX年。神々は再び人類に対して裁きを下した!…が、今回も人類は化学のチカラを持って滅びを回避しようと足掻き始めた…
エリクシア・エンジェルズとは、神々の審判から人類を救うエリクサーとなるべく生み出されたアンドロイド化手術を受けた少女たちである」
「うわぁ…何だか重たいストーリーですねぇ」
「最近のゲームだと王道シナリオじゃない?」
「それじゃあ2人とも、まずはキャラクリしましょうか?…ゲーム内に用意されているアバターをアレンジして、キャラクターを作るのが基本なんだけど…このゲームは取り込み機能も搭載されているのよ」
「それって、どういうモノなんです?」
「ちょっとメタい話になっちゃうけど、私たちって3Dモデルを持ってるでしょ?そのデータを取り込んでキャラクリ出来るのよ」
3Dアバターを用意すれば、ソレをベースにしてキャラクリ出来てしまうのが、このゲームのウリの1つとなっている。つまりは、配信者に遊びやすい仕様が盛り込まれていた
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「出来たわ。どうかしらっ?」
✱「エッロ」
✱「エッチいな、おい」
✱「食い込むヤバ」
✱「流石ロミー」
✱「うひょー」
✱「エロ可愛い♪」
ロミータは取り込んだキャラクターに、狙撃手要素を追加して服装などをアレンジし、キャラクリを完成した
「なるほど狙撃タイプにしたのね」
「はい。移動速度も速めだし、銃火器は全て使えますから♬」
「あんまり武器を沢山持つと速度も落ちちゃうし、防御力は低いから囲まれないように注意してね」
「はい。分かりました。ところでアミは?」
「うーん、ちょっと待ってぇ…もう少しでぇ」
……………………………………………
「出来ましたぁ♪」
✱「ええやん」
✱「可愛いね」
✱「エロが足りん」
✱「やり直し」
✱「なんなら全裸で❤︎」
「ε٩(๑>ω<)۶зもう!ナニ言ってるのぉ!」
ロミータに続いての亜沙美のキャラクリも視聴者に好評で、コメント欄も賑わっている
「補給タイプにしたのね」
「えっ!?そんなの有るんですか?」
迫り来る神の下僕である駆逐する魔人を倒すゲームなのだが…
「敵の攻撃は強烈だから、回復タイプが居てくれると助かるのよ。移動は普通だけど索敵能力が高くて装甲も厚めだから、初心者には良いかも知れないわね」
「そうなんですね。エディット絵が可愛かったから選んだんですけど…良かったぁ♪」
✱「被弾したら脱げるとか?」
✱「もっと露出上げようぜ」
✱「その分鳴いてくれ」
✱「アミの腕前じゃあなぁ」
✱「笑いを撮るんだ!」
「ヽ(`Д´#)ノ ちょっとぉ!期待されてる方向性がおかしいと思うんですけどぉ!」
格闘ゲームだけでなく、レースゲームでもシューティングゲームでも好成績を残した覚えのない亜沙美はリスナーから、別の意味での活躍を期待されているようだ
「あら〜。アミはロミー達よりも活躍できる自信でもあるの〜?」
「だってぇ、みんな初心者なんだからぁ…アミが1番上手いかも知れないでしょぉ…」
「( ≖ᴗ≖)ニヤッ♪それじゃあアミ、ロミーとドッチが良いスコア出せるか?勝負しましょうか?自信あるんでしょ〜。もちろん罰ゲーム付きでね(笑)」
「う!?…ま、負けないもん…」
(今日はオリビア先輩が居るんだから、エッチぃ罰ゲームになったりはしないよねぇ…)
「こらこらロミー。配信前に悪ノリし過ぎないように、って注意したばかりでしょ?」
✱「なんやて?」
✱「罰ゲーム楽しみ」
✱「ええやん、ええやん♪」
✱「ナイスロミーちゃん」
✱「またアミの鳴き声が」
✱「頑張れロミー」
✱「負けて良いよアミ」
自分も居る場での罰ゲーム提案に、ロミーを抑止しようとしたオリビアだったが…ロミーの提案が出た直後のコメントの嵐に驚かされている
「それじゃあスコアが低かった人が、スコアの高かった人の命令に応える。そんな感じで良いわね?…分かってると思うけどロミー。過激なのは許しませんからね!」
「は〜い。大丈夫で〜す…たぶん…」
「絶対負けないもん!…ところでショーツ先輩。私のキャラって回復タイプだから、スコア稼ぐのは難しいです?」
「それは大丈夫よ。魔人に与えたダメージと、仲間を回復させた分は同じポイント計算されるから、アミは無理に敵と戦わなくても味方を回復してたらスコア伸びるのよ」
「良かったぁ。じゃあ何とかなる気がする」
攻撃的なキャラクターが有利という訳ではないシステムに、安心した亜沙美はやる気が湧いたようだ
✱「でもアミの腕じゃな…」
✱「アクション系あかんやろ」
✱「どんな罰ゲームやろ?」
✱「楽しみだぜ」
✱「でもショーツさん居るからな」
✱「ロミーちゃんゲーム上手いし」
「取り敢えずチュートリアルをして操作感覚に慣れましょうね?武器を持ち過ぎると移動が落ちるけど、敵は強いから身軽過ぎても苦しいのよ?」
「なるほどです。バランスが大切なんですね。あと無理せず退避しなきゃ、ですね?」
「そうよ。じゃあ2人とも準備は良い?…ゲームスタート!」
オリビアから基本操作だけを教わった亜沙美とロミータ。操作感覚を覚える為にチュートリアルを開始した
「く〜。攻撃が激しくて結構難しいわ…」
「ひぃぃぃ!逃げながら味方の状況を把握するの大変だよぉ(汗)」
今のところ初心者同士なだけあって、スコアに大きな差は出ていないが高めなゲーム難易度に2人とも苦戦していた
「ホラホラ!キリキリ動かないとヤラれちゃうわよ?」
「ゴァァァ!!(魔人の叫び声)」
「わざわざヤラれに来てくれてThank you♪そのままくたばってね。うらァァァ!」
「ショーツ先輩って意外と激しい性格なんですねぇ(汗)」
「先輩上手すぎっ!侮れないわっ…」
敵陣に突っ込んで華麗に舞いながら魔人たちを撃破していくショーツの姿に、亜沙美だけでなくロミータも驚いている
「私のキャラは狂戦士タイプなの。手足のパーツを交換することで、臨機応変な戦い方が出来るのよ♪うらぁぁぁ!!」
このゲームの案件を受けたオリビアは、既に複数回プレイしていた。とはいえ、巧みに敵を倒す姿は彼女がアクション系ゲームに強いことを示していた
「わ、私も頑張らなくちゃ…」
果たして亜沙美はどの程度、このゲームで活躍出来るのか?それともロミータとの勝負に負けて、恥ずかしい罰ゲームを受ける事になるのだろうか?
続く




